「おいしい給食」というドラマを観ました。
「おいしい給食」は、昭和の時代(1984年、昭和59年)の中学校の給食をテーマにしたコメディドラマです。
日本のドラマの俳優さんは演技が過剰傾向にあると感じます。
歌舞伎や演劇などの影響があるのかどうかは分かりませんが、とにかく演技が大げさです。
必要以上に怒ったり不快感を露わにしたり、オーバーアクションも多いです。
この「おいしい給食」も、演技は過剰と思えるところはいくつかあるものの……コメディというジャンルのせいか、鼻につくとまではいかず……ちょうど良いというか……ぴったりとハマっているというか……大げさな演技が良い方向に作用していると思いました。
「おいしい給食」は面白いドラマです。
面白すぎて、1話みて、続けて5話ぐらい連続で視聴しました。
1話の冒頭のモノローグを書き起こします。
私は給食が好きだ。
給食のために学校に来ているといっても過言ではない。
なぜなら母の作るご飯が不味いからだ。
うちの家族は頑張っている母を傷つけないように美味しい美味しいと食べる。
たまに出前になったとき、父は涙を流して喜んでいる。
だから給食は私にとって1日で最も充実した食事だ――
内容は、1年1組の担任の甘利田先生が、様々な給食と向き合い、蘊蓄などをとり混ぜながら食していく、というもの。
神野という生徒がいて、甘利田先生と同じように給食が大好きで、この彼が毎回、少し変わった食べ方をして甘利田先生がショックを受けたりします。
孤独のグルメと一見似ているけれど、別物と感じます。
しかし孤独のグルメを土台にしている部分はあるはずです。
孤独のグルメというドラマの延長線上(方向性は異なるものの)にあるものとの認識を受けました。
ちなみに……自分は給食は美味しいとは思いません。
甘利田先生のように、親の作る料理が不味い場合は、必然的、かつ相対的に、給食の美味しさはアップするだろうと思います。
とはいっても、それは子供に限られるのではないかなとも思います。
いい年をした大人なら、家の食事が不味ければ、外食や中食が可能です。
外食と給食を比べたら、やはり外食のほうが味は上であるはずです。
そういうふうに考えるとナンセンスではあるけどそこはドラマなのでそこを突っ込むのは無粋かなとも思います。
素材が良く、味がととのった料理は、できたて、つまり熱々であればたいていは美味しいです(冷やし中華などは除く)。
給食は大量調理のため、できあがってから時間が経っているので、その点、どうしても作りたての美味しさにはなりません。
給食の味に負ける手料理というのは相当なものです。
以下は自分が実際に食べた給食の思い出と各エピソードを絡めてかんたんな感想を記します。
1. 海の王者、鯨の竜田揚げ
子供のころ給食で鯨肉は、食べた記憶は何度かあります。数えるぐらいです。
しょっぱくて美味しくありませんでした。たぶん当時の流通や保存技術のせいだと思います。
80年代にタルタルソースの小袋はあったのかなー。覚えてないです。
2. 魔法の粉ミルメーク
牛乳はパックだったと記憶しています。
なのでミルメークを飲んだ記憶はないです。
3. 4番、サード、ソフトめん
たぶん食べたことあるけど記憶にありません。
作中では、ソースが飛ぶので独特な体勢をとったり体操着に着替えますが、若干やりすぎかなとも思えました。
4. 八宝菜に欠かせないもの
給食で八宝菜は食べたことがあると思います。
しかし中華料理屋さんの八宝菜と比べると……給食のそれはまがい物のように思えます。
5. 酢豚は大人の証
酢豚も食べたことあると思うけど記憶にないです。
6. ワンタンスープと名前の長いパン
給食でワンタンスープは記憶がありません。
もしワンタンスープが出ても、ワンタンはあんなきれいではないと思います。ワンタンのかけらみたいなものばかりかも。
7. ヤキソバ・パンデミック
給食で焼きそばを食べた記憶はないです。
8. 危険な果実冷凍みかん
冷凍ミカンも食べた記憶はないです。
9. アゲパンという名のスイーツ
揚げパンを食べた記憶もないです。
まずいコッペパンの記憶しかありません。
週に2回ぐらいは白米だったように思います。
この白米、ちょっと冷えていて、水蒸気なんかも吸ったりして、一見美味しくなさそうだけど、自分は大好きでした。
わかめご飯とか美味しかった記憶があります。
給食のカレーシチューがこぼれてしまって給食の品数が減りますが、こういうことはよくありました。
1学期の間に1度ぐらいはあったんじゃないかと思います。
10. 二人だけのカレーライス
給食でカレーを食べた記憶はないです。
たぶんメニューにはあったとは思いますが。
力業で感動系にもっていっていますが、冷静に考えると他校に乗り込んで誤配のご飯を取り返そうとするとか、おにぎりを2つもらうとか、ナンセンスだとは思いました。
けど、それでも面白いです。
あれだけ無理のあることを一見自然に展開しているのは、監督や制作者のセンスがいいのかもしれません。
エピソードの感想おわり。
続編にも期待します。
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