古畑任三郎のエピソードで最も好きなのはS2の「動機の鑑定」

 古畑任三郎は好きでほとんどのエピソードを視聴済み(未見は古畑中学生)ですが、その古畑全エピソードの中で、1番好きなのはシーズン2の「動機の鑑定」です。

「動機の鑑定」はどんな話か?
 骨董商(春峯堂)が美術館の館長である永井と共謀して、偽物の壺を本物と鑑定するも、その壺は陶芸家の川北百漢が2人を陥れるためにつくった壺で、川北百漢はその2人に殺されて、古畑が捜査に乗り出す、というもの。
 ミステリやトリックの部分はそんなに注目してないです。
 トリックやミステリの整合性などを論じる作品ではないと思います。

「動機の鑑定」が好きな理由は、犯人である春峯堂が、本物の壺を使用して、第2の犯罪を行う部分。
 古畑は、単純に春峯堂が偽物と本物を間違えたと判断します。
 しかし、それは違いました。
 本物の壺と分かっていて、その本物の壺で永井(春峯堂の共犯者)を殴って、結果、本物の壺は粉々になります。

 春峯堂は、現代最高の陶芸家が自分を陥れるためだけに作った壺と、本物の壺、どちらが価値があるのか、答えは前者であると古畑に語ります。

 陶芸家の川北百漢は、春峯堂を嫌っているのに、春峯堂は川北百漢を現代最高の陶芸家と認めている点に、懐の深さを感じました。
 解せない点があるとすれば「現代最高の陶芸家」を殺してでも保身に走ったことです。
 芸術が第一なら「現代最高の陶芸家」を殺すことはないはずです。
 ……そうなると殺人は起こらず、古畑も登場しないことになってしまいますが。

 物語の筋とは関係ないけど、今泉の購入した仏様(125万円)を古畑が落として割る場面は、笑えるかどうかは微妙なところです。古畑が完全に悪いです。しかも、悪いことをしたという意識も持ってなさそうです。

 俳優さんの演技がすばらしいです。
 特に春峯堂役の澤村藤十郎さんが良いです。微笑を絶やさず、上品でありながら上品すぎることもなく、嫌みもそれほど出さず、懐の深さも感じさせ、本当に色々とちょうど良いところに収まっていて最高です。
 連れが永井という美術館長ですがこちらは角野卓造さんで、この角野卓造さんの演技も、小物感、おどおど感、いきり感、ちょうど良くて、すばらしい演技でした。

 実は適当に視聴していて、春峯堂が本物の壺を分かっていて壊した点について、現代最高の陶芸家の作った壺と、古い壺を比べると、価値のあるのは前者であると古畑に語ったと勘違いしていました。
 自分を陥れるためだけに作った壺、という点は、あとで見直したときに気づきました。
 それなら少し意味が違ってきます。
 しかし、それを踏まえても、このエピソードの完成度は群を抜いていると思います。

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