人間がヒューマンフードを食べれば長生きできるか

 クオーラの質問で興味深い質問がありました。
将来、食文化は消滅すると思いますか?腸や胃袋の中に栄養発生装置を装着して食欲はVR味覚などで満足させる様な社会は来ますか?家畜は贅沢だ!みたいな主張がエコテロリストなどから出て来る様な社会。

 ▲上記の回答のひとつで以下のようなものがありました。
「以前は犬や猫は残飯を食べていて寿命が短かった。しかし現代はペットフードのせいで寿命が延びた。人間の特性に合わせたペットフードならぬ「ヒューマンフード」をつくって人間がそれを食べれば健康で長生きできるはず」

 確かに昔に比べると犬や猫の寿命は伸びたので、実際にヒューマンフードみたいなものを人間が食べたら、病気にもならず健康で長生きできる可能性は高いです。
 しかし、酒やタバコ、肉食を続けたのに長生きする人もいるし、逆に、健康のために節制して、酒は飲まずタバコも吸わず、肉は少なめで魚や野菜をたくさん食べる人が若くして病気になることもあります(酒やタバコ、肉食が健康にいいわけではなくて、シンプルにその人の内蔵が強いからなのかもしれません)。
 食べ物に関しては「人による」という部分が大きいのではないかと思います。
 具体的な例だと枚挙にいとまがないけど有名どころでは映画監督の黒澤明は肉好きで知られています。88歳没。

 少し話は変わって、ある大学院生の言葉。
「女性は数学の能力が男性に比べて低いといわれているがそれは嘘。なぜなら自分の数学の指導教員は女性だったから」

 修士でも頭が悪いんだなと思われる典型です。
 この人の指導教員が女性だったのはたまたまであって、数学が得意ということが、すべての女性に当てはまるわけではありません。

 しかしこれって実はブーメランで、院卒だからバカ、ということにはなりません。
 たまたまこの個人が錯誤を起こしているだけです。

 数学において、女性と男性、どちらが向いているかは、個人的には特に差はないのではないかと思います。
 性差よりもジェンダー的な様式も関係しているかもしれません。
 女性は比較的感情を大事にして、男性は論理を第一にする傾向はあるかなとは感じますが、これもジェンダー的な思想かもしれません。

 従って、黒澤明が肉好きで88歳まで生きたからといって、肉食が健康にいいかどうかは不明です。個々の例にしか過ぎません。

 遺伝子を調べて、それに応じた食事をとれば、健康で長寿になるかなとは思います。
 その人の特性に合わせたヒューマンフードということになります。

 食事については娯楽の面もあるし、栄養だけ摂るというのも、味気ないと感じます。
 未来において、カプセル状のものを接種して食事が終わり、となるかどうかは、いまのところは悲観的ですが、そのような世界になる可能性がないとも思いません。

 味覚や嗅覚、触感などをデジタルで再現できるようになれば、仮想現実の中で食事をすることも可能になるはずです。
 実際にはないものなのでいくら食べてもOK。
 朝から晩まで、満漢全席を食べてもOK。
 太りもしないし病気にもならない。
 実際はカプセル状のヒューマンフードを食べているだけ。

 そんな世の中になるなんてあり得ない、なんて思う人もいるかもしれませんが、テクノロジーが一気に普及することは珍しいことではないです。
 シンギュラリティも近いと云われているので、個人的には十分にあり得る話だと考えています。

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