SF小説「アルテミス」感想

 アンディ・ウィアー著「アルテミス」を読みました。
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」のに比べると小粒や印象。
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」感想 

 舞台は月面都市。
 2080年頃のお話。
 主人公はジャズという、ポーターの若い女性。
 私は、このジャズに全く共感できませんでした。  
 月にこだわり過ぎているところに違和感があります。
 あほな若者の変なこだわりに見えます。
 もちろん、月で育った彼女が地球の1Gの環境では最初は辛いだろうけど、2080年なら何らかの適応できる技術もあるように思えます。
 随意筋、心筋を含めて強化するような施術が。

 主人公に全く共感できなかったけど、これは翻訳のせいかもしれません。
 文体は一人称で、時々ですます調が混じります。
 このですます調の割合が短い間に複数出てくることもあり、最初はそこまで気にはならなかったけど、後半にいくにつれて鼻につくようになりました。
 そう思うでしょ? みたいな二人称も時々混じります。
 まあこれはアンディ・ウィアーらしいといえばそうではあるけど、ですます調と混じるとこの二人称も鼻につきます。

 あと、本作とは関係ないし、これはもう愚痴になりますが、プロジェクトヘイルメアリーの考察系の記事、またはレビューなどで、アンディ・ウィアーの文体を真似る文章などを見かけますが、生理的に受け付けないです。
 本人は面白いと思ってるんだろうというのがありありとみえて白けます。
 まあ、そんなふうには感じず、面白いと考える人も多いとは思いますが。

 巡り巡って、アンディ・ウィアーのオリジナルの文章さえ(読んだのは原著ではないけど)、滑っているところがあると感じるようになりました。ワーオ、とかオーケイとか。

 文体のせいで、読むのをやめようと思ったけど結局最後まで読了はしました。
 突っ込みどころは満載ではあるけど、まあ小説、フィクションとしては良い出来なのではと思います。
 反応炉の壁に穴を開けるのは現実離れしているし、最後の、バルブを開けるのにテコの原理を使うのもご都合主義ではあるけど、そこに突っ込むのは無粋と思います。

 とにかく文体が好きになれなかった。

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