「ベターコールソウル」を全話見ました。
シーズン1から6まで。全63話。
総合的な感想としては、上質の海外ドラマだと思います。
面白かった。
時間稼ぎと思われる描写が所々目につきました。
6シーズンだけど、半分とは言わないまでも、縮めれば4シーズンぐらいで終わりそう。
もし引き延ばしがあるとすれば、諸事情あるのだろうとは推察しますが。
丁寧な描写ともとれるし、表現方法のひとつと考えることもできます。
ジミーは、ブレイキングバッドの脇役としては、良いキャラなのは間違いありません。
裏社会ともつながりのある弁護士。
けれど主人公としては、微妙なところがあると思いました。
物語の主人公には特性が存在します。
ピカレスク系だとまた違うかもしれませんが、通常、主人公は嘘をつかない、善人で、思いやりがあり、性根もまっすぐ。多くの人から好かれ、その場に主人公がいなくても、話題の中心になる人物。何かしらの特技があり体力優秀。
ジミーは脇役としては魅力のあるキャラではあるけど主人公としては不適合です。
自分の都合で人を騙すのは、見ていて気分のいいものではなかった。
主人公特性がゼロではないです。良いところもあります。しかしネガティブがポジティブを上回っていると感じました。
製作意図に、そのような部分があるのかもしれませんが。
マイクは、年寄りすぎなのは置いておくとして(これはジミーも同様)、変に主人公特性が垣間見えるところが目立ちました。
主人公特性がちらちらと見える割には、他人に対する態度が悪すぎ、敬意が感じられない。
他者に対する敬意が感じられないという点では、ジミーも同様です。
口八丁で相手をやり込める場面が多いけど、見ていて不快な気分になることが多かった。
自分がもし中学生ぐらいなら面白いと感じたかもしれません。
キムもよく分からない。詐欺師みたいな男と一緒になるのは理解できない。彼女のとる行動の動機付けが不明瞭というか、普通はAという選択肢をとるはずが、その裏をかいてBの選択肢を
選ぶような場面が多かった。結婚もそうだし最後の告白の件もそう。
あとシュワイカートだったと思うけど法律事務所の面接を受けて、採用になったのに辞退して、メサヴェルデのCEOには弁護士の助言を聞くべきだと言い張り、またシュワイカートの事務所に入社して、また自分の都合でそこを辞めるという、自分勝手すぎる行動にびっくりしました。アメリカ人はあれが普通なのかどうか。
ハワードはかわいそうでした。
ハワードは、本作のメインキャストにおける、数少ない常識人です(面白みはないものの)。
ナチョは、ブレイキングバッド本編にも登場していると勘違いしていました。確か名前は出てきますが。
ナチョは最初はモブかと思ったら後半では存在感が増しました。
ソウルの結末は、考察のしがいがありそうだとは思うけど、共感は出来ませんでした。
シーズン6の後半は、ブレイキングバッド本編につながっていく過程が描かれていて興味深かったです。
批判的なことを書いてしまったけど、高レベルの海外ドラマだとは思います。
また時間をおいて見返したいです。
おそらくですが、ソウルの描き方がネガティブである(自分がそう感じているだけかも)のは、制作者の意図があると思います。
本作における他ブログなどのレビューを読むと絶賛している場合が多くて意外に思います。
面白いのは認めるけど、ソウルは好きになれません。
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