海外ドラマ「ホームランド」シーズン4の感想


 ホームランド」シーズン4、全12話、全て視聴しました。
 最終話を除いて、面白かったです。
 自分の中で「ホームランド」のシーズンの評価は、1と2は面白い、3はそれに比べたら少し落ちる、というもの。
 これは人によって変わると思います。
 シーズン4は、3よりも面白いと感じました。

 けど、絶賛はできないです。
 最終話は、意味が通ってないというか、あの筋書きでよく制作したな……と思います。
 個人的な好みの問題になるけど、登場キャラの親とか親戚とかに興味がありません。
 登場キャラ同士の恋愛も同じくどうでもいいです。

 親が、物語の筋に密接に関わってくるなら別です。
 実は黒幕だったとかなら、親が出てきても違和感はありません。というか出てこないとおかしいです。

 さておき、いくつかおかしいと感じた点があります。

 まず、序盤の重要なキャラであるアーヤン。
 このキャラには好感が全く持てませんでした。
 キャリーと、男女の仲になるので嫉妬しているつもりはないけど、とにかく嫌いです。
 それはなぜかと考えたけど、たぶん……表情が暗いからそう思うんじゃないかと。
 役柄のせいかもしれません。
 アーヤンは終始不機嫌な顔つきです。
 あれが、子ども特有の、世の中に対する、意味のない反抗心みたいに見えます。
 もしくは子供特有の、世界は自分を中心に回っている系の錯覚。

 別に嫉妬しているつもりはないけど、嫉妬しているのかもしれません。
 クインがその件に関して、キャリーに食ってかかる場面は、うーん、嫉妬しているのか。
 クインとキャリーの関係なんて正直、どうでもいいです。

 6話の途中までは、上記の件、アーヤンや、キャリーとクインが恋愛が云々とかいう話が多かったので、面白いとは感じませんでした。
「ホームランド」もここまで落ちたのか、と暗澹とした気持ちでした。

 キャリーが支局長になるのも違和感がありました。
 支局長の下で、それなりの権限を持ちながら活動するのが自然です。
 そもそも精神病を抱えているのに支局長になんてなれるわけがないです。
 作戦担当官は文官だと思ってたけど、工作員でもあるのかな……そこらへんが曖昧というか、まあフィクションだから、と言われたらそれまでですけど。

 ソールは元CIA長官ですが、外国で単独行動をしているのも危機意識が低すぎです。
 護衛がつくはずです。
 もし拉致されたら、交渉の材料にされてしまうのは明白だから。

 後半部分ですが、大使館を警備している海兵隊が陽動に簡単に引っかかるのはおかしい。
 警備責任者は軍法会議ものですがそれについては全く描かれません。

 色々書きましたが「ホームランド」は大好きな海外ドラマです。
 だからこそ粗も目立ちのかもしれません。
 ここがこうだったらもっと良いのに……みたいな。

 6話に話を戻しますが、その6話の途中で、シーズンを通しての敵であるハッカニが出てきます。
 無人機によって攻撃できるチャンス。
 アーヤンも一緒にいるので、攻撃すれば彼も死ぬことになります。
 内心、攻撃はしないのだろうと思いました。
 それは、まだ6話だから。
 ハッカニの命をとるのが目的です。
 あっさり殺してしまうと、物語の帰結がみえなくなる。
 で、攻撃しない理由は何か。
 キャリーがアーヤンのことを実は好きになっていた、なんていう展開は、言葉は悪いけど、胸くそ悪いです。
 そんなチンケな展開だったら、ここで観るのをやめていたと思います。

 攻撃する直前にクインが作戦室にやってきて、そこでキャリーは「ここは山場だから」と説明しますが、次の瞬間、あー、そうきたか……してやられた。
 もうね。おじいちゃんなにしてんの? と言いたくなりました。
 まあ、この瞬間から面白くなりました(笑)

 あの場面は素晴らしい交差だったと思います。
 秀逸なシーズンの中間地点でした。
 7話からは、息もつかせぬ展開です。
 11話までは楽しめました。

 最後(12話)は、繰り返しになりますが、意味不明なところが多かったです。
 中盤が面白かったから、その分の落差がひどいと感じました。
 色々な不満な点はあるけど、それでも「ホームランド」は面白いと思います。

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