「ジーサンズ はじめての強盗」感想

ジーサンズ はじめての強盗(吹替版)
 ジーサンズを観ました。 
 ジーサンズは、面白い映画かどうか。
 最近は面白くないと最後まで観ません。
 ジーサンズは、一応最後まで観ました。
 だから、自分の尺度では「面白い映画」となります。

 けど、見終わった後「ああ面白かった」とはなりませんでした。
 銀行強盗は良いことか? 当然悪いことです。
 それを良いことのように描くのは間違っていると思います。

 爺さん側に感情移入できれば面白い映画だと感じるかもしれません。
 誰かの視点、主観で物事をみると、善悪の基準がゆがんでしまいます。
 一歩離れたところ、俯瞰視点でみると、正常な判断がつきやすいです。

 銀行強盗をすることは悪ではあるけど、やむにやまれない事情があればまた違った話になります。
 貧困でデザートのパイが食べられないとか、金利が上がって家のローンが払えずに家が差し押さえになるとか、気軽に飛行機に乗って孫に会いに行きたいとか、動機付けが弱すぎです。

 コメディなので、これはこれでいいのかなと思いますが、どんでん返しがあるとして……銀行強盗は実は失敗で、3人の爺さんは警備員や、その場に居合わせた連邦捜査官、または法務執行官に拳銃で撃たれてぶっ倒れて病院に運ばれて……映画の後半、銀行強盗が成功した描写はすべて意識混濁中にみた妄想だった、ということだったら面白かったけど、それだとコメディではなくなります。

 爺さんに銀行強盗をやらせたら面白そう、なんて考えで作られた映画なのかもしれないけど、金を稼ぐ、ということならば、カジノとかで大勝ちするような話のほうがまだ良かったように思います(ありがちではあるけど)。

 シルバーギャングという映画のリメイクらしいので、あまり冒険はできなかったのかもしれません。

 起承転結、すべてにおいて弱いけど、それでも最後まで視聴させてしまう魅力のある不思議な映画でした。
 あまり期待せずに観ると良いと思います。

 ちなみに、アメリカの刑務所での囚人のヒエラルキーだと銀行強盗はトップクラスになると何かの本で読んだことがあります。
 最低は性犯罪、特に子供に対する性犯罪で、その罪状が分かった時点でリンチにあうとか。

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