ハードSF「火星の人」読了

 映画「オデッセイ」の原作小説「火星の人」を読みました。
「火星の人」は面白いけど、SFに素養がない人には読み進めるのは困難かもしれません。
 自分は、理解できたと言いたいけど、実際の理解度は7割ぐらい。
 宇宙関係に詳しい人なら楽しめると思います。

 トム・ハンクス主演で「キャストアウェイ」という無人島でサバイバル生活する映画がありましたが「火星の人」はそれの宇宙版……といえるかもしれません。
 内容的には違いますが、雰囲気の一部は似ていると思います。
「火星の人」の主人公マーク・ワトニーは、植物学者で宇宙飛行士で、エンジニアでもあります。

 大まかなあらすじですが、火星への有人ミッション中に事故が起こり、マーク・ワトニーという男性宇宙飛行士だけが火星に取り残されます。
 彼は死んだと思われていたけど、実は生きていました。
 次に火星に人がやってくるのは4年後。
 食料は、当然足りません。
 水と酸素と電気と食料をどうにかしなければなりません。
 そして、地球に自分が生きていることを伝えなくてはなりません。
 マーク・ワトニーは、植物学者、そしてエンジニアとしての知識を駆使して、火星で生き残りをかけたサバイバルを開始します。

 すんなりと上手く行くわけもなく、トラブルが続出します。
 ワトニー救援のため、食べ物を満載したロケットは打ち上げに失敗するし、地球との通信に使っていたパスファインダーはショートでぶっ壊れます。
 ショートの下りは物語中盤過ぎでしたがリアルでした。
 あ、これでまたひとりぼっちになってしまった……

 マーズ・パスファインダーの存在が素晴らしいです。
 フィクションと現実を繋ぐアイテムです。

 久しぶりに、面白い小説を読みました。
 状況はシビアだけど、所々笑えるところがあって良かったです。
 機械のトラブルが起こったとき(酸素関係の)、NASAは分解するなとメッセージを送るけど、ワトニーは完全無視で、機械を分解して修理します。
 それをNASAに伝えたらNASAは「うぬぼれるなよ」と寄こしたり。

 残念なのは……日本が全く出てこないことですねえ……
 まあ、とんちんかんな意見であるのは承知していますが。

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