「ベター・コール・ソウル」シーズン2の第2話「クリームパイ」の感想


 ベターコールソウルのS2、第2話「クリームパイ」を視聴しました。
 最初は、特に大きな事件も起こらないし、スケールの小さな話……という感じを受けたけど、終盤はちょっとドキッとさせられました。

 スクワットコブラーというのは造語です。
 ジミーの作り話の中に出てくる言葉です。
 
 スクワットコブラーはあとに譲るとして、今回の話は、ジミーを取り巻くストーリーと、マイクを中心とした、犯罪系のお話の、2つのパートに分けられます。
 終盤で2つは繋がります。

 ジミーですが、順風満帆という言葉そのもの。
 デイヴィス&メイン法律事務所のアソシエイトとして働き出して、専用の部屋もあるし、社用車まで準備される好待遇。
 キムが嫉妬するぐらい。
 そのキムとの間も、羨ましいぐらいに良好です。

 薬の取り引きを行っているマイクのクライアント(元クライアント?)のプライスですが、警察から目を付けられました。
 プライスは、家に空き巣に入られ、野球カードのコレクションを盗られています。
 マイクが野球カードは諦めろというけど、プライスは後に引きません。
 何枚かは父親の形見なんだ……とプライスが言うと、マイクは、そこに何かを感じ取ったのか(というふうには見えないけど)、じゃあオレが取り戻してやる、と約束します。

 特に問題もなく、マイクはナチョから野球カードを取り戻すことに成功。
 けど、プライスは警察に目を付けられたままです。
 マイクは、倫理観が云々と前置きをして、ジミーにプライスの弁護を頼みます。

 警察は、プライス宅の、ソファの後ろにある不自然な空間に何があったのか、という点に注目しています。
 プライスは警察署に呼ばれて、話を聞かれますが、同席のジミーが、あの場所には、スクワットコブラーという行為の様子が録画されたデジタルメディアが隠されていたと言い張ります。
 プライス宅の空き巣は、痴情のもつれの末の出来事だったと説明します。
 ホーボーケン、スクワットコブラー、フルムーンパイ、ボストンクリームスプラット、ダッチアップルアス……etc.
 肝心の内容ですが、男がパイの上に座って、腰をぐりぐりさせる、という行為(笑)
 それがくだんの「スクワットコブラー」という名前、という意味。

 警察官は狐につままれたような顔つきです。
 ついで、というわけでもないと思うけど、ジミーは、話の信憑性を補完するために、実際にプライスがパイの上に座ってぐりぐりする映像を撮ったようです。

 終盤、余ったパイをキムと一緒に食べながら、その話をします。
 すると……キムの顔つきが変わります。
 証拠のねつ造をしたことが警察にバレたら、弁護士資格を剥奪されるかもしれない。
 キムはきつい調子で、それは良くないことだ、とジミーに言います。

 自分も、過去を振り返って思い当たるというか、男女の考え方の違い……この場合は、ちょっと違う気もしますが、まあとりあえず2人の間に亀裂が入った瞬間です。
 ジミーは、素直には話を聞きません。
 けど、キムのあまりの剣幕にジミーは最後折れます。
「Ok」や「Understand」ではなく「You Won」と呟いた点に、ジミーの精一杯の抵抗を感じました。
 キムにとっては、勝ち負けの問題ではない、ジミーは分かってない――そう思いそうです。

 序盤は……どうでもいい話が続いて退屈だなと思い、中盤ではマイクの手腕を再確認し、終盤に差し掛かった頃はジミーの法螺話にニヤリとし、最後の最後ではドキッとさせられました。
 最後は重い雰囲気で終わり。
 序盤や中盤の物事が恐ろしいまでにスムーズな展開は、最後の伏線だったのかもしれません。

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