ハリウッド版「ゴースト・イン・ザ・シェル」感想


 Amazonビデオで、ハリウッド版「ゴースト・イン・ザ・シェル」(字幕)を視聴しました。
 原作の漫画は読んだことがありません。
 押井守監督のアニメ版「攻殻機動隊」は視聴した経験があります。

 さて、ハリウッド版「ゴースト・イン・ザ・シェル」の感想ですが、箇条書きにしてみました。
・思ったよりも面白い。
・アニメ版に忠実な場面もあるが、基本的に別物。
・所々チープな雰囲気が漂う。
・少佐は違和感がある(人種問題ではなく)。
・ストーリー展開に少し無理を感じる。

 上記を一つずつ解説します。
 トレーラー(予告)を視たときはチープ過ぎて、全く期待できませんでした。

 ▲これは別バージョンのトレーラー。自分が視たのよりずいぶんマシです。

 期待値が低かったせいもあるけど、本編は、想像以上に楽しめました。
 歴史に残る名作ではないけど、駄作でもないと思います。

 ストーリーは、アニメと同じかと思ったら相当改変されています。
 個々のエピソードは似ている所は多いです。
 アニメ版のストーリーは分かりづらく感じます。けど、それでも面白いのは不思議。
 それに比べるとハリウッドの実写版は、シンプルにしすぎたというか、ありがちな展開で……まあ興ざめします。
 ストーリーは全く期待せず、映像を楽しむもの……との印象。 

 チープな点については、うーん、映画ではなく、ドラマみたいな感じといえばいいのか。
 全部が全部チープというわけではなくて、2~3割ぐらい。
 リアリティがある場面や、違和感のない場面もあるけど、時々あれ? というシーンがありました。
 
 少佐が白人なのはどうでもいいけど、若干違和感を覚えました。
 もう少し、野性的な女優さんが良かったです。
 スカーレット・ヨハンソンという女優さんの問題ではないですが。

 女性医師(ダーリン博士)が、少佐を逃がす場面がありますが、あれは個人的には、物語上の大きな汚点に思えます。
 女性医師の行動が理解できません。
 あの女性医師は、高給をもらっていたはず。
 それをたった一つのことでフイにした。
 しかも殺されてしまう。
 物語だから、フィクションだから、といってしまえばそれまでだけど、あの場面は悪い意味で記憶に残りました。
 
 最後は、少女の体になっているかと思ったら違ったので少し残念。

 アニメ版を改めて視聴しましたが……面白いです。
 ハリウッド版も悪くないと思ったけど、アニメ版と比べると相当差を感じます。
 これは原作レイプといわれても仕方ないです。
 アニメ版は名作です。ストーリーは難解ですが、それを補って余りある迫力ある映像は素晴らしい。

追記
 原作漫画を読みました。
 難解な部分はあるものの、総合的にはすばらしい完成度。
 あの時代に、あれだけのものを描くのは驚きです。
 原作を読んだせいで、アニメ版のストーリーがよく分かるようになりました。

 アニメ版はシリアスなので原作もそうかと思ったら、原作は少し雰囲気が違います。
 漫画らしいというか、漫画というのは、ストーリーがいくらシリアスであっても、所々にギャグ(ユーモア)が挟まれるべきものだと考えます。そういう意味では、攻殻機動隊の原作はまごう事なき正統派の漫画です。

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