「デスパレートな妻たち」が面白い


 アマゾンプライムビデオでデスパレートな妻たちを見ています。
 シーズン4を見終わったところです。
 デスパレートな妻たち、面白いです。
 当時リアルタイムでシーズン4の途中まで見た記憶があります。
 プライムビデオには全シーズンがあるので、今回は完結まで視聴する予定です。

「デスパレートな妻たち」の何が面白いのか。
 一見して低レベルなホームコメディのような様相ですが、見ていくうちに、そこそこ複雑な人間関係が構築されていき、時にキャラの過去の犯罪というか過ちが明らかになったりして、シリアスな展開が垣間見えたりもします。
 笑いあり、シリアスあり、そして時々お涙ちょうだい的な流れもあったりするところが面白さの根源なのかなと思います。
 ヒット作であるがゆえに、多額の資金を投入することができたのだと思います。脚本の出来は海外ドラマの中でもトップクラスだと思います。
 男性でも十分に楽しめるドラマです。

 シーズン1~2は完成度が高いです。
 それに比べるとシーズン3は色恋沙汰が多めで、ちょっとマンネリ気味かなという気もしますが…終盤(シーズン3の21話)、リネットの熱演は素晴らしかったです。
 あまり好きなキャラではないけど、このリネットの葛藤は共感できる人は多いかもと感じました。
 自らの欲望、それを引き留める作用と、子供、家族。そして夫の存在。
 流れに身を任せることができたらどんなに良いか。
 しかしそれをしてしまえば親として失格です。
 家庭は壊れてしまいます。
 だから、リネットは拒否するしかない。
 素晴らしい。

キャラの寸評というか感想

スーザン・メイヤー
「デスパレートな妻たち」の主人公。
 絵本作家。
 おっちょこちょいな性格です。
 そういうキャラ(天然ぼけ?)だから、ということなんでしょうけどみていてとにかくイライラします。
 馬鹿で短絡的で身勝手で、よくこれで主人公がつとまるものです。
 吹き替え版は、声優が萬田久子さんでしたが、萬田久子さんは悪くないですが、キャスティングは最悪だと思います。
 字幕で見ることをおすすめします。
 字幕でもイライラしますが、吹き替え版に比べたらマシです。

 モテまくることにも違和感ばりばりです。
 何がいいのか分かりません。
 イライラするし腹が立つけど、まあどこか憎めないところがあるのも確かです。
 あまり好きなキャラではないけど、デスパレートな妻たちに欠かせないキャストであるとも思います。

リネット・スカーボ
 最初は専業主婦だけど、やがて仕事に復帰して育児と仕事に追われることになります。
 シーズン3では、自営でピザ屋を開店することになって副店長になります。

 スーザンほどではないけどみていてこちらもイラッとします。
 私は間違ってない、私が正しい、私が絶対! という雰囲気がありありと見えます。
 しかし、3人の子供を育てながら仕事もして…という状況は尊敬すべきです。
 シーズン3の終盤での熱演は素晴らしかったです。
 しかし一点だけ。
 彼女は、ときめく時間がほしかっただけだそう。
 これは、相手のことを考えていないです。
 男は、女に時間(とお金)をかけるものだと思います。
 それなのに「ときめく時間がほしかっただけ」というのは、まるで馬の鼻先につるしたにんじんのようなものです。
 男はただ働きになります。
 本当は、彼を雇うのが間違いでした。まあ、そこは物語なのでといわれたらそれまでですが。
 リネットの葛藤は素晴らしかったけれども、これも主観に偏りすぎて、相手のことを考えてない自分勝手な思考という見方もできます。

 シーズン4では、癌が発覚し、闘病生活になります。
 化学療法がうまくいき、癌は消えますが。
 病気が治る前、家の庭にネズミが出没して、彼女はネズミ退治に躍起になります。
 病気が治り、庭の片隅に横たわるネズミの死骸を見つけて彼女は涙を流します。
 前半、リネットはネズミを親の敵のように扱いますが、あれは伏線だったのです。
 病気が治ったけど、ネズミは死んでしまう。
 彼女は、ネズミの亡骸を見ることにより、ネズミを自分と同じ生き物と認識したのだと思います。

ブリー・バン・デ・カンプ
 デスパレートな妻たちの主要キャラ4人の中では最も好きなキャラです。
 格言かなにか忘れましたが「子供の頃は親に泣かされ、自分が親になれば今度は子供に泣かされる」的な展開は、人生ってうまくいかないものだなと考えさせられます。
 几帳面で、博識で、社交的で、一見非の打ち所がありませんが、ブリーのような女性が身近に(身内に)いると逆に息が詰まるという部分もあるのかもしれません。
 しかしながら息子のひき逃げをかくまったことは許される話ではないです。

 アンドリューが反抗的なのは、ブリーが良い母だからだと思います。
 なぜなら、スーザンの娘はしっかりものですが、親が頼りないせいもあるはずです。
 つまりアンドリューはブリーに甘えています。
 
 シーズン2の最後、彼女は息子を捨てます。
 私は未婚で、子供はいませんが、それでも真に迫るものを感じました。
 もし、視聴しているのが女性で、年頃の息子がいて、何かしら問題を抱えているのなら…強く共感できるのかもしれません。

ガブリエル・ソリス
 4人の中では少し特殊というか、一回り若いので友人という設定は無理があるように思えます。
 スラップスティック的なキャラというか、ユーモア係です。
 年下の若い男(10代の高校生)と不倫をしているのは脳のどこかに欠陥があるんでしょう。
 しかし風船のくだりはほろりと来ました。

 カルロスが失明したあとの彼への対応は…ひどいと思います。
 まあ別れなかったのでその点は褒めてもいいでしょうか。
 盲目の人間にものを投げつけるのは危険すぎます。

 問題は多いですが、ガブリエルもスーザンと同様、デスパレートな妻たちに欠かせない存在だと思います。彼女がいないデスパレートな妻たちは味気ないです。

イーディ・ブリット
 みんなの嫌われ者イーディ。
 イーディがくるとみんな口をつぐみます。
 ポーカーにも誘ってもらえません。
 あほな主人公から家を燃やされたりもします。
 ぼくはイーディが好きです。

 しかしシーズン4のイーディはちょっとトラブルメイカーというか、自分勝手すぎて好きになれません。 

カール・メイヤー
 スーザンの元夫。軽い感じというか、遊び人風です。ブルーカラーと思いきや弁護士。
 結構イーディと同じ立ち位置というか、あまり好ましい人物には描かれません。
 自分は、好きなほうです。
 ブリーの息子アンドリューが母を脅迫した際、カールは大人として少々きつく言い聞かせる場面がありますが、あそこでがらりとイメージが変わりました。
 よい男です。
 スーザンは見る目がありました。離婚原因は浮気なので、その点は褒められませんが。

マイク・デルフィーノ
 配管工。
 デスパレートな妻たちのシリアス担当でしょうか。
 が! スーザンを良いと思う男なので、割れ鍋に綴じ蓋ということで、程度は低いです。

トム・スカーボ
 少し子供っぽいところがあるリネットの夫。
 シーズン2、浮気を疑われる場面があります。
 実生活でもこういうことってあるよなと思います。
 なんというか、彼は浮気をしていると思われて実際に現場も見られて、しかし事実は異なっていたということです。
 事実は小説よりも奇なりとはよく言ったもので、ありとあらゆる情報を分析して、どう考えても黒である思われるのに、実際は違うことってよくあります。認知科学における錯覚のような。

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