一善ならず

 平日の午前中、ジョギングしました。
 3㎞ほど走って、帰宅するため歩道を歩いていたところ、50メートルほど前方に自転車が見えました。こちらに向かってきます。
 老人でした。
 ちらっと、黒いものが落ちるのが見えました。
 何か落ちたかな? と思ったものの、ずっと老人を観察していたわけではないから、確証は持てませんでした。
 ちなみに、遠くからでも財布には見えず、しいて言うなら手袋のように思えました。 

 爺さんがゴミを捨てたか、それとも落ちていたゴミを踏んづけただけなのかもしれません。
 爺さんの自転車とすれ違いました。
 このとき「何か落ちましたよ」と声をかけても良かったけど、確信が持てなかったから、なにも言いませんでした。 
 割り込み上等、不法投棄上等、セクハラ上等みたいなモラルゼロの老人もいるので、もしそんな老人に声かけて、こちらの勘違いだったら不快な思いをすることになります。

 黒い物体は、めがねケースでした。
 中にはめがねも入っています。
 振り返ると、すでに爺さんの自転車は150メートルぐらい離れています。
 ダッシュしました。
 距離は50メートルほどに縮まりました。
 しかしそこが精一杯でした。
 爺さんが信号などに捕まったりすれば追いつけたけど、あいにく信号はありません。
 あとでグーグルマップを確認したところ、だいたい300メートルほど走ったようです。
 息が上がって速度が落ちて、自転車はどんどん離れていきます。
 諦めました。
 めがねケースは、近くのバス停のベンチに放置しました。
 財布なら、交番に届けたところですが。

 これが走る前なら、おそらく追いつけたと思います。
 走った後だったので体力が続きませんでした。ざんねん。

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