XP-PEN「Artist12」感想|液晶ペンタブレット

 絵を描き始めたのは2015年の夏頃で、最初はアナログで描いていました。
 同年の11月頃にはワコムのペンタブレットを購入してデジタルに移行しました。
ワコムのペンタブレット(CTL-480/S1)を購入

 液晶ペンタブレットはいずれ欲しいとは考えていたけど、板タブでも描けるし(慣れるまで少し時間はかかる)、弘法筆を選ばずということで(自分が弘法なみの絵描きというわけではないけど)、本人の技術と経験がしっかりしていれば、板タブだろうが液タブだろうが、できあがった絵に差はないはずです。
 極端な話、絵の素人が液タブで描いても上手い絵は描けません。しかしプロやセミプロの漫画家、イラストレーターなら、板タブでも上手い絵を描けるはずです(板タブに慣れていれば)。

 2015年頃は、液タブを含むペンタブレットはワコム1強で、液タブの価格は安いのでも6万円以上はしたように記憶しています(はっきりとは覚えていない)。
 最近は中国メーカーなどの台頭によって、選択肢は大幅に増えました。価格も12インチ程度の液タブなら2万円程度から購入できます。良いことです。

 ワコムのペンタブと、他メーカーのペンタブの性能や使い勝手の違いですが、メーカーによってはそれぞれ特色があったりするけど、たとえば値段がワコムなら6万円、他メーカーだと3万円で半額の場合、性能も半分になるとかというと、そんなことはありません。性能はほぼ同等、場合によっては3万円のほうが高性能ということもあります。ハードの細かなところ、使い勝手ではまだワコムが上かなと感じることはありますが(しかしワコムのドライバは良いイメージはありません)。
 ワコムは殿様商売みたいなところがあるのであまり好きなメーカーではないです。ユーザーのことはあまり考えてないんだなと思われるような空気を漂わせています。
 今後、ワコムのペンタブのシェアは下がると思います。

 さて本題ですが、XP-PENの液晶ペンタブレット「artist12」を購入しました。
 中古です。

 買った理由は、安かったのと、XP-PENというメーカーが好きだからです。
 Artist12の中古は、新品のおよそ半額程度で買えます。

 初めての液タブです。
 PCにつないで、ドライバをインストールして、いざ使おうとすると――
 画面を複製した場合、ペンは問題なく使えますが、拡張にした場合、ペンが使えない現象が起こりました。
 設定をいろいろいじるけど動作しません。

 PCを再起動すると、正常に動作しました。
 設定が間違ってないのに、動作しないときは、再起動がおすすめです。あっさりと思った通りに動作することがあります。

 液タブの使用方法として拡張か複製かについては、拡張が一般的だろうと思います。
 複製は、ミラーリングになるので、絵を大きな画面で確認しながら描きたいという場合は複製のほうがいいけど、メインディスプレイには別の情報を表示させておく方が効率はいいと思います。しかしこれは使う人の好みも関係するので、絶対的な答えではないです。

 さて、液タブを使用した感想ですが、およそ30分でギブアップしました。慣れません。板タブに戻しました。
 絵を描く人で、液タブが合わない人を時折見かけますが、自分もその口なのかもしれません。
 いや、これは慣れの問題ではないかと考え、半日後、もう少しだけ使ってみようと液タブに再度トライしました。
 ……2度目のトライでは、慣れたのか、徐々に液タブのほうがいいように感じるようになりました。

 マウスを新しいものに交換したときも違和感を覚えたりしますが、環境が変わると慣れるまで時間がかかるようです。

 慣れはしたけどArtist12の画面は絶望的に狭いと感じます。
 11.6インチはこんなに狭いのか……なんて使いづらいんだ……解像度はフルHD(1980×1080)のはずなのに、これはArtist12のサイズが小さいからに違いない、買い換えた方がいいかもしれない……と考えていたけど、ディスプレイ設定で、150パーセントに拡大になっていたのに気づいて、100パーセントに戻したところ、使い勝手は向上しました。
ディスプレイ設定
 ▲新しいモニターを買ったりすると、この値が150、または125パーセントになったりすることがあります。不要な機能だと思います。
液タブのディスプレイ設定その1
 ▲150パーセントに拡大された状態。
 クリスタのペン類とか、レイヤーなどのスペースが狭くなって使いづらい。
液タブのディスプレイ設定その2
 ▲100パーセントの状態。
 アイコンなどの表示は小さくなるものの、使い勝手は向上します。

 液晶ペンタブレットは、PCのことに詳しくないと、使いこなすのは難易度は高いかもしれません。液晶ペンタブレットはデジタルで絵を描くための道具ではあるけど、外部モニターでもあります。出力装置であり入力装置でもあります。
 PCの性能が低い場合は、ペイントソフトの動きが重くなったりもします。

 Artist12は、安価な液晶ペンタブで、おすすめではあるけど、やや小さいです。
 もし作業スペースに余裕があり、加えて購入資金が1~2万円上乗せできるのなら(つまり液タブ本体に3~4万円)出せるなら、もう一回り大きめの13.3インチか15.6のほうが効率はよくなるかなと思います。

 液タブ、いいです。
 液タブを使うと板タブに戻れないという人がいますがよく分かりました。

 Artistシリーズは、安いのはArtistの無印で、Proがつくと値段は上がりますが、スタンドが付属したり接続コネクターなどが改良されていたりするので、資金に余裕があるならProのほうがおすすめです。
 Artist12はやや小さいので、作業スペースに余裕があるなら、Artist13.3 Proが良いと思います。
 Artist12ProとArtist13.3 Proなら値段の差はわずかです。
 Artist12ProとArtist13.3 Proの違いですが、スタンドはどちらも付属します。サイズが違うのは当然として、Artist12Proは色域が72%NTSC(120% sRGB)、Artist13.3 Proは88%NTSC(120% sRGB)です。
「Pro」がつけば色域が高い訳でもないです。

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