読書感想「青の炎」貴志祐介著

 貴志祐介さんの「青の炎」を読みました。
 話の内容はシンプルですが、設定や諸々の描写はリアルでした。
 殺人を犯すのは高校生なので稚拙な部分もあるかと思いきや、周到に計画されます。
 しかしやはり甘い部分もあります。
 1つのほころびがどんどん大きくなって、やがては取り返しの付かない事態になります。
 警察医はお爺さんですが、主人公の偽装を見破るところはさすがでした。

 思い込んでいた事実が実は勘違いだった、という部分では、愕然とさせられました。

 知り合いは「こんな高校生いないよ、頭が良すぎる」と言いましたが、果たしてそうかな? と同意できませんでした。
 この程度(といったら失礼だけど)の高校生ならざらにいると思います。

 どんでん返しがある訳でもないし、先が読みやすい展開ではあるけど、それでも先が気になって一気読みでした。

 ま、最初の殺人にいたる部分の、分刻みのスケジュールは、実際はあの通りには行かないはず。
 しかし小説としてならアリだと思います。
 結末や雰囲気などはスティーブン・キングの「ゴールデンボーイ」に似ていると思いました。

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