経営者が優秀なら株価が上がる――その反対、経営者が無能なら株価が下がるどうか。
実際は逆だと思います。
つまり株価が先にあって、そのあとに経営者の優劣が語られます。
物事に理由を求めるから、前者のような考えになるのだと思います。
株価の動きは、何かしらの理由があると思いがちです(実際に理由がある場合も当然ある)が、なんの理由もなく上がったり下がったりすることもあります。
シスコシステムズはご存じでしょうか。
アメリカのコンピュータネットワーク機器開発会社です。
2000年3月、シスコシステムズは時価総額が5000億ドルを超え、世界で最も価値の高い企業になりました。
ビジネス誌は大騒ぎします。
著名な雑誌がこぞってシスコシステムズの特集を組み、CEOジョン・チェンバーズ氏を最高の経営者と褒め称えました。
しかし2001年、シスコシステムズの株価は急落。
1年前には80ドルだった株価は、14ドルまで下落しました。
著名な雑誌社は手のひらを返し、シスコシステムズの業務とジョン・チェンバーズ氏を酷評しました。
そのあと同社は持ち直し、2017年4月現在、ダウ平均株価採用銘柄になっています。
同社が勃興した理由、凋落した理由、そして持ち直した理由について、雑誌やメディアはその時々によって、いかにもな記事を掲載しました。
ジョン・チェンバーズ氏が有能なのか無能なのか、それは分かりませんが、株価の動きによって、能力の優劣が語られたのは事実です。
ヤフーの、株式関連の掲示板を時々見ますが、株が下がっている会社の掲示板は、経営者の無能さを訴える投稿が多いです。
優秀な人がリーダーになれば株価が上がると思っているなら、株を買ったりするのはやめたほうがいいと個人的には思います。
能力が優秀な人が成功する、物事がうまく行くなら、時間が経てば経つほど、世の中はよくなっていくはずです。
能力のある人がリーダーになれば全ての問題は解決します。
能力の劣っている人、社会的弱者、または貧困層は淘汰されて、次第に数を減らしていくはずです。
けど、そのような社会にはなっていません。
いまがその淘汰の過程だから、といわれたらそれまでですが、50年後も100年後も、様々な社会問題は山積みしていると思います。
何が言いたいのかというと、経営者が有能でも、株価は下がることはある。
それによって無能というレッテルを貼られることもある。
逆に、経営者がアホでも株価が上がることはあり得る。
結果、アホな経営者がもてはやされる場合もある。
経営者が何か施策を行った。
それが成功した。
それは運が良かったのだと思います。
有能とか無能とかほぼ関係がありません。
さいころを振って良い目が出ただけ。
ということで「何かをやる」というのが重要なのだと思います。
つまり「何もしない」という選択をした人間は無能ともいえます。
結論。株価を予想するのは難しい。
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