海外ドラマ「ホームランド」(S1)第1話「英雄の帰還」の感想 

ホームランドのイラスト
 Huluを視聴中、こちらもお勧め的なリコメンドで「ホームランド」が表示されて、1話だけでも観てみようと何気なく見始めて、2話3話、と視聴し続けるうちにすっかりお気に入りになりました。
 面白いです。

 ホームランドのストーリーを端的に説明すると「アメリカ兵の捕虜がアルカイダの基地で発見されて帰国し、英雄扱いされるが、CIAの作戦担当官だけが疑惑の目を向ける」というもので、ジャンルは広義ではスリラー、およびサスペンスになります。
 スパイドラマともいえそうです。

 最初は、果たしてアルカイダの基地で発見されたアメリカ海兵隊捕虜は、ほんとうにアルカイダに洗脳され、テロの機会を窺っているか?
 または、ちょっと変わったCIAの作戦担当官の勘違いか?
 という、何を信じればいいのか分からない的なストーリーかと思いましたが、アメリカ海兵隊の捕虜、ニコラス・ブロディ、通称ニックは、1話を見る限りは、ちょっとぼかされた感じだけど、すでに2話では、ブロディは隠れて礼拝(サラート)しているので、洗脳済みの可能性が高いと考えてよいと思います。
 1話に限れば、終盤、ブロディはジョギングに出掛けますが、途中、足を止め、意味深げにホワイトハウスを眺める場面があります。
 これをもってしてテロリストだ、という論理は飛躍しすぎではありますが。

 ブロディのパートでは所々捕虜のときの回想場面が挿入されます。
 転向したかどうかはあやふやですが、確実なのは、ブロディは嘘をついている、ということ。
 しかし、ブロディの証言を、作中の登場人物たちは疑う余地をもちません。
 いや、ひとりだけ、CIAの作戦担当官キャリーだけが、ブロディの言葉に違和感を覚えます。

 キャリーの上司がエスティースという、テロ対策センター司令官ですが、彼のチームがブロディを救出したこともあって、疑義を挟むのは水を差すような雰囲気です。
 また、キャリーとエスティースの仲がよろしくないのもブロディに疑いの目を向けられない理由のひとつです。
 かつてキャリーとエスティースは、不倫関係にあったようです。

 キャリーは、双極性障害(躁鬱病)という精神病を抱えています。
 おそらくそのような持病をもっているとCIAの職員にはなれないはずですが、設定上、彼女はその事実を隠してCIAに勤務しています。

 躁鬱病の症状なのかどうかはわからないけど、キャリーという女性、感情の起伏が激しいです。
 協力者であるヴァージルに双極性障害の薬を飲んでいることがバレたキャリーは「深入りしているからいまさらやめさせない」と激高。
 キャリーが感情的になる場面は何度も登場します。

 キャリーは、男と寝ることに抵抗をあまり持っていない女性で、これは双極性障害の症状のひとつらしいです。
 第1話の最初のほうの場面ですが、プロローグが終わって10ヶ月後、キャリーは朝帰りします。
 洗面所でキャリーは、タオルで股を拭きます。
 最初に観たときは、なにしているのか分かりませんでした。

 さりげない場面で、しかも特に重要というわけでもないので、すぐに忘れて、2回目に見直したときに気づいたぐらいです。
 これは、直接の描写もないし、想像の話になりますが、見知らぬ男と一夜限りのセックスをしたのだと思います。
 ほんとうはシャワーを浴びたいけど時間がないから、とりあえず股間だけでも拭く、という描写なのだと思います。

 1話の最後のほうでも、キャリーは嫌なことがあって、着飾って夜の街に出て、男を物色する場面があります。
 そのとき偶然に演奏家の指使いを見て、ブロディの怪しい点を発見したので、その夜は男と別れたようです。

 海外ドラマの第1話はたいていパイロット版で、作りが豪華というか、考え抜かれて構築されたような感じが多いですが「ホームランド」に関しては、淡々としているように思いました。
 第1話にしては、あまり飛ばしすぎてないと思います。
 抑えた描写と演出ですが、先が期待できる面白そうな導入部でした。

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