フォークリフト運転技能講習体験記|2020年12月

フォークリフト

フォークリフト運転技能講習は簡単!?

※2020年時点での情報です。

 フォークリフト運転技能講習を受けました。
 価格や細々としたところなどは都道府県や教習所によっても異なると思うので割愛します。

 フォークリフトの「免許」という人もいますが、免許ではなく資格のひとつです。
 自分もそこら辺は詳しくないので割愛します。興味のある人は調べてください。

 さて、フォークリフトのことを調べるとたいてい「フォークリフト運転技能講習は、誰でも合格できる、従って簡単である」と書いてあるところが多いです。
 今回自分が講習を受けてみて、思ったことは以下です。
「フォークリフトの運転は慣れれば簡単だが、慣れるまでは難しい。検定は真剣にやらないと合格できない」


▲参考動画

 フォークリフトの運転の経験があり、運転操作の感覚がある程度つかめている場合は、そう難しいものではないのかなと思います。

フォークリフト運転技能講習の合格率は9割

 自分が講習を受けた教習所でのフォークリフトの合格率は9割とのことでした。
 落とす試験ではないとはいえ、9割の合格率は裏を返せば10人に1人は合格できないという意味にもなります。100人受ければ10人程度は検定に合格しないと考えるとやはり「簡単」とはいえないと思います。
 再試験をすれば、ほぼ全員が合格できるのかもしれませんが。

 もしこれを読んでいる人がフォークリフトの運転に自信がない、検定で落ちるかもしれないと不安を覚えているなら、その気持ちは理解できます。自分も同じ気持ちでした。
 自分は教官から、講習期間中、5回ぐらいは「あなたはこのままでは検定は合格しないと思う」と言われました。
 結果から書くと、無事に合格できました。
 しかも終わった後、教官が寄ってきて「あなたは頑張ったね」そして待機所の方を見ながら「ほかの受講生には言っては駄目だよ……素晴らしかった」

 ミスはしていないし「素晴らしかった」とのことなので、満点に近かったのだろうと思います。
 そのとき、生徒は6人いましたが、検定の順位付けをするなら、おそらくですが、自分がトップか、もしくは2番目だったようです。

 ちなみに自分以外の5人は同じ建設会社の社員で、皆、フォークリフトの運転経験はそれなりにある人たちばかりでした。運転の経験のないのは自分だけでした。

 自分の保有免許は、大型自動車(一種)と、自動二輪(小型限定)です。
 フォークリフトは、ミッション車です。クラッチがあります。
 ですから、車の運転免許がない、もしくはAT免許限定の場合は、クラッチ操作で少し戸惑う部分があるかもしれません。

 9割合格とのことですが、受講生の大半は、職場でフォークリフトの運転経験がある人たちで、それも合格率が高い要因なのかなと個人的には思います。
 全く運転したことのない人たちばかりを集めて講習をやれば、合格率は9割以下になるはずです。

フォークリフト運転技能講習の履修内容

 フォークリフト運転技能講は4日間あります。最初の1日は学科のみで、午後遅くに学科テストがあります。
 内容は多岐にわたりますが、学科の時に、教官が「ここはテストに出るから覚えておいてください」と言いますから、居眠りさえしていなければ大丈夫です。実技検定で落ちる人はいるかもしれないけど、学科で落ちるのは皆無のはずです。

 2日目は実際のフォークリフトを用いての実技に入ります。
 外周点検(これが18カ所!)の仕方から始まり前進や後進などのかんたんな走行練習、スラロームやクランクのような少し複雑な走行に移っていきます。
 3日目は、走行の仕上げを行い、午後からはパレットの積み卸しの練習です。
 4日目の最終日はパレットの仕上げと、重量物の上げ下げ、それから検定の練習、午後遅くに検定があります。

フォークリフトの上達のコツ

 フォークリフトの運転の上達のコツですが、数をこなすことがまず第一ではあると思うけど……習熟度というのは、個人差があるものです。
 ある人は、2~3時間で運転の感覚をつかめるかもしれないし、ある人は15時間ぐらい必要かもしれません。それは分かりません。

 教官も言っていましたが、長時間運転しても上達はしないそうです。
 それよりも回数を増やしたほうがいいとのこと。
 絵を描くときでも、一つの絵に数時間から数十時間かけても上達はあまりせず、枚数をこなしたほうが速く上達するのと同じだと思います。
 漫然と40分間連続で運転するよりも集中して10分間乗るのを3回繰り返すほうがいいはずです。

 できるだけ早く運転のコツ、特性などを身体に覚えさせることが大事だと思いました。コツがつかめれば運転操作に余裕が出てきます。

 自分は走行から躓いて、ほかの受講生がスラロームなどを行っているときに、ぐるぐるコースを回っていました。なぜこんなに差が出るんだろうと恥ずかしい想いをしました。自分以外の5人は、皆フォークリフトにのった経験があったので差があるのは仕方がないのかもしれませんが。

 前へ進み、角を曲がるとき、角っこの5センチから10センチぐらい内側に、前輪タイヤの外側を持ってこいと言われたけど、何度やってもうまく出来ませんでした。
 大きく膨らみます。
 その場合はケツが白線をはみ出して、もし壁があればぶつかることになります。もしくは逆に近づきすぎて白線を踏んでしまいます。

 ハンドルをどれだけ回せばどれだけ角度が変わるのかが分かりませんでした。
 フォークリフトの速度と、ハンドルを回す速度、そしてハンドルを回す量などによって、動きががらりと変わります。
 後進の場合はハンドルの向きは逆になるし、ハンドルを回すタイミングも変わってきます。

 まあしかしこれは感覚の問題で、慣れれば難なくできるようになるはずです。
 この慣れの問題については、前述したように個人差があります。
 別にフォークリフトに限った話ではないけど、何かを習得しようとするとき、覚えの速い人もいれば遅い人もいますから(覚えの遅い人のほうが、伸びしろはあったりします)。

 自分の練度は実技1日目の時点での6人中でドンケツ。
 実技2日目の昼ぐらいになんとか形になってきて、実技3日目の朝ぐらいには皆に追いついた感じです。

フォークリフトの検定のコツ

 検定ですが、やることの順序さえ分かっていれば、もうあまり練習しすぎるのもよくないようです。疲れてしまいます。
 たかだか10分程度で、大したことではないけど、集中して運転しますから、思ったよりも疲れます。
 だから練習のしすぎも、本番に差し支えがあると思います。

 自分の場合は、検定の練習は、4日目の午前中に3回、午後1回で、あとはイメージトレーニングを行いました。

 検定で怖いのはエンストや、荷物の2度差しなどを忘れたり、行程を飛ばしてしまうことです。
 エンストになると、頭が真っ白になるし、行程を飛ばしたりしても同じで混乱してしまいます。
 多少のミスや、時間オーバーぐらいなら合格になるはずです。

 陳腐な言い回しですが、練習は本番のつもりで、本番は練習のつもりで、ぐらいがちょうど良いのかもしれません。
 気を抜いて練習していると、ミスが多くなりがちで、練習の意味がありません。

フォークリフト技能講習の検定

 以下に、自分が受けた検定の内容を備忘録として残しておきます。
 手順は、教習所によって異なると思うのであまり参考にならないかもしれません。

 検定は1人ずつ行います。自分の順番が来れば呼ばれます。

・試験官から呼ばれ、フォークリフトの位置に行き、外周点検を行います。18カ所あります。不備があれば、試験官の人が、独り言のように教えてくれたりすることもあります。 
 ざっと点検箇所を書いてみます。
「フォーク、マスト、ローラー、バックレスト、リフトチェーン、リフトシリンダー、チルトシリンダー(右)、前輪タイヤ(右)、前照灯(右)、ヘッドガード(右)、後輪タイヤ(右)、油漏れ水漏れ、後照灯、後輪タイヤ(左)、ヘッドガード(左)、前照灯(左)、前輪タイヤ(左)、チルトシリンダー(右)」以上18カ所。
・フォークリフトに乗り込み、シートベルトを締め、椅子の調整を行う。
・エンジンを始動し、ツメの先端を上げて走行状態にする。
・安全確認のあと、ギアを入れ、サイドブレーキを解除し発車(発射時の安全確認とブレーキ、ギア関連は以下割愛)。
・角を曲がり、荷物に対して中心の位置でフォークリフトを止める。停止したらまずサイドブレーキを引きギアをニュートラル(停止時のブレーキ、ギア関連は以下割愛)。
・ツメを水平にして、荷物の位置までツメを上げる。
・ゆっくり前に進みツメをパレットに入れる。
・ツメを浅めに入れて、停止。
・ツメを上げて少し荷物を持ち上げる。
・レバーを操作し荷物を水平にする。 
・少し後退し、荷物が台から数センチ出たところで停止。
・ツメを下げ、荷物を置く。
・少し前進し、ツメをしっかりと差し込む。
・ツメを上げて少し荷物を持ち上げる。
・レバーを操作し荷物を水平にする。
・後退し荷物が台から離れたところ停止。
・荷物が台に当たらないように荷物を下げる。
・ツメを手前に引き、走行モードにする。
・後退し、開始位置の手前まで下がっていったん停止。
・安全確認のあと発車。
・角を2回曲がり、向こう側の台に進む。
・台の前で停車する。
・荷物を水平にする。
・荷物を上げる。
・荷物が台に対して水平になるように調整する。
・ゆっくり前に進む。
・荷物が台から10センチほどはみ出るぐらいで停止。
・ゆっくり荷物を下ろす。ツメを抜く。
・ツメを浅めに差し込む。
・荷物をあげて、荷物を水平にする。
・荷物を置く所定の位置まで前進する。
・荷物をゆっくりと下ろす。
・後退し、ツメを抜く。
・ツメを下ろし、ツメの先端を上げて、走行モードにする。
・終了位置までバックで進み、停止。
・ツメを地面に接着させ、エンジンを切ってシートベルトを解除し、フォークリフトから降車して終了。

 停まる度にサイドブレーキを引きギアを抜きます。
 発射時は、安全確認のあと、ギアを入れてブレーキを解除します。
 荷物をとるときはツメの2度差しを行い、置くときも2度差しを行います。時々、前進か後退か分からなくなったりします。

 ありがちなのは、エンストや、2度差しを忘れてしまうことです。この2点は注意した方がいいです。

 荷物に対して正面に停車、荷物を置くときは台の中心を意識して停車するのはなかなか慣れないと難しいです。
 どちらも、前進するときに微調整は可能です。
 自分のときは、荷物を置く際、台に対して若干左側に停まったので、前進するときに右にハンドルを1回半ぐらい回して、素早く同じだけ戻しました。するとほぼ真ん中に来ました。少し焦りました。

結局のところフォークリフトはかんたん?

 フォークリフトの運転操作は、運転の感覚、ハンドルをこの速度でこう回せばどれぐらい曲がる的なことが分かってくるともう大丈夫なんじゃないかなと思います。
 4日間のうち実車講習は3日間なのでその2日目から遅くとも3日目の昼頃までに感覚をつかむことができれば、おそらく検定は合格するはずです。

 慣れてしまえば簡単と思えます。

 自分は運転の感覚は掴んだつもりなのでそれほど難しいものではないと思うけど、やはりその点は個人差があるので、もしコツが掴めない人がいてもそれはそれで仕方がないです。
 不合格なら追試もありますから、何度も受ければ大丈夫です。
 フォークリフトは1度とってしまえば一生使える資格ですから、それを考えれば1度や2度の追試なんて大したものではないです。

 あとは……人はそれぞれ適正もあるので、本当に無理なら諦めるのも方法だと思います。
 向き不向きはあります。
 泳げない人、自転車にのれない人がいるようにフォークリフトも同様です。
 無理に資格をとっても、それで自分や人に怪我をさせるようなら乗らない方が確実にマシです。

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