ビー・バップ・ハイスクールで有名な木内一裕先生が小説を出しているのは数年前から知っていたけど、読んでみようというほど興味はそそられませんでした。
ほかの分野(脚本家など)から小説家に転向する人が時々見かけますが、自分の観測する限りはしょーもない作品が多いです。
Kindleの読み放題に木内一裕先生のラインナップがあったので読んでみたら予想以上に面白かった。
エンタメ小説としてはトップクラスの面白さだと思いました。
以下、読んだ作品の簡単な感想を書きます。
矢能シリーズは以下をご覧ください。
・木内一裕著「矢能シリーズ」感想
▲木内一裕著「キッド」
面白かった。
一級のエンターテインメント小説でした。
息もつかせぬ展開で、読み始めると止まりません。
主人公がタフで頭も良くて、悪者を手玉にとったりするけど、その強さの担保というか背景があまり見えないのは残念でした。
小説というよりは漫画的な雰囲気を覚えました。
陸自の3曹が出てきますが記述は適当でした。
少年工科学校を卒業して、全日制の大学生になることは不可能です。
大学に行くなら自衛隊を退職することになるはずです。
個人的には、大学生になるならいったん自衛隊は休職扱いで、卒業したら自衛隊に復職できるようになればいいとは思います。
自衛隊に勤務しながら通信制の大学に行くことは可能です。しかし生徒出身で、通信制大学に行くひとはまれだと思います。
上記のことはおそらく分かっていて書いているんだろうなと思います。
多少難点があるとはいえ、物語の意外性と疾走感は素晴らしいです。
氏の小説を最初に読む本としておすすめです。
▲木内一裕著「不愉快犯」
ミステリー作家が、妻を殺す話。
ミステリー作家の性格が面白いです。
結末が、しっくりこないというか、すっきりしない終わり方だと思いました。
木内一裕先生の小説は面白いけど、全体的に、結末がいまいちなものが多いように感じました。
▲木内一裕著「デッドボール」
子供を誘拐して身代金を取ろうという話。
「デッドボール」と「不愉快犯」は直接の関連性はないですが、登場人物の名前がかぶっています。
特に、デッドボールにおいての弁護士の成宮と「不愉快犯」におけるミステリー作家の成宮は、性格がうり二つです。
同じ俳優が、それぞれ異なった映画に出演しているような趣です。
「ビーバップハイスクール」と同じ世界観のようです。鉄腕ツトムこと源田ツトムが出てきます。
本作は主人公は兼子ノボルなので、トオルとヒロシの舎弟かと思ったらあちらはノブオでした。
▲木内一裕著「嘘ですけど、なにか?」
面白かった。
しかし内容は薄いと思いました。
あまり敵が強くなかったのは残念に思いました。
漫画的な話。
▲木内一裕著「藁の楯」
小説では処女作とのこと。
矢能シリーズと比べると面白くないです。
比べなければそれなりに面白い読み物だと思います。
上記作品の中で最も面白かったのは「キッド」です。
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