普通自動二輪(小型)免許教習体験記

※この記事は管理人の別サイトからの転載です。

自動二輪の免許をとろうと思ったきっかけ

 片道12㎞の通勤に50ccの原付を使っていました。
 往復で25㎞なので、結構な距離になります。
 所詮50ccなので、次第にガタがきて、総走行距離もだいぶ増えてきたのでそろそろ買い換えようとカタログをみるも、特に欲しいのが見当たりません。
 ちなみに原付は97年式のライブディオZX。走行距離は3万㎞オーバー。

 50ccではなく125cc、もしくは250ccはラインナップは充実しています。
 しかし、50cc以上のバイクの運転には免許が必要です。じゃあ、時間の余裕もあるので免許をとろうか、と考えた次第。
 自動車の普通免許があれば学科は免除になります。
 従って教習所に通って、早ければ1週間ほどでバイクの免許は取得できます。
※自動二輪の免許取得までは半月から1ヶ月ぐらいかかる場合が多いようです。

 免許は、普通自動二輪免許(小型限定)をとることにしました。
 それは、乗りたいバイクがKSR110という、110ccのバイクだったからです。
 普通自動二輪免許(小型限定)は、普通自動二輪免許に比べると、費用も安く、教習時間も短くて済みます。

 蛇足ながら……
 もし、二輪の免許で小型か普通かで迷っているなら、普通免許をお勧めします。
 難易度や教習時間は大差はありません。
 大は小を兼ねる、です。

 教習に関する記述は、平成15年8月頃の当時を基にして書かれています。

 平成17年6月1日からAT車に限定した普通自動二輪・大型自動二輪(650cc以下)のAT限定免許が新設されています。
 なお、教習日記は福岡での話です。
 他県、もしくは教習所によって微妙に異なる可能性もあります。

教習所入校0日目(8月18日)「入校受付」

 教習所のホームページで調べた結果、入校受付には住民票と所持免許証、入校金がいるとのこと。
 まずは住民票を取りに役場へと行く。
 そして住民票(200円)を手に教習所へと向かう。
 時刻は9時過ぎ、まだ教習は始まっていないようでひっそりとした雰囲気だ。
 建物に入り、受付カウンターへと行く。
 受付の人に「自動2輪小型限定の教習を受けたいんですけど」と言うと奥に通される。
 料金、教習内容などの説明を受け、免許証を提示して入校申込書を書く。
 それが終わると視力検査。
 無事に終了し、入校金全額を払う。
 入校式の説明を聞き、教習所を後にする。
 ちなみに免許があれば住民票は不要だった。

バイク屋でKSR110の見積もり

 自宅へと帰る道すがら、KSRの見積もりを出してもらおうと思い、家の近くのバイク屋に行く。
 実車がある、ということで見せてもらった
 小さい! というのが第一印象。
 50ccとほとんど変わらない。
 KSR110は自動円心クラッチ(カブみたいなやつ)でクラッチ操作がない、と思っていたけど、店長がクラッチキットを強く勧めるので付けてもらうことにした。
 諸経費、納車整備代等、キャリア取り付け、クラッチ仕様に変更の値引きなし、ライブディオ3万8千円で下取り、で総支払額23万円。
 財布の中にあった6万円を頭金として支払い、バイク屋を後にする。
 納車予定が免許の都合上、9月初旬となった。
教習所

教習所入校1日目(8月20日)「乗車1時間目、外周を回る」

 入校式開始5分前に教習原簿をもらい3階の第5教室へと向かう。
 教室につくと、生徒とおぼしき11人が椅子に座って原簿を眺めていた。私が最後だった。少々気まずい思いをしながら空いている席へと腰を落とす。
 17時から校長の挨拶が始まり、それが終わると教官から教習の説明があった。大型自動車が1人、普通2輪が4人、小型2輪が1人、後の6人は普通自動車である。
 18時より適性検査。IQテストのような問題を解く。
 19時より乗車、私を含めて4人、小型は私のみ。
 まずは軍手、長靴を装着、ジェットヘルメットを被る。
 続いてバイクの取り扱いの説明を受ける。バイクの引き起こしの後、エンジンを掛けてギアを入れる練習。センタースタンドを立て、実際にギアチェンジなどをやってみる。
 普通2輪の教習車はCB400、小型の教習車はCB125。
 皆、ギア付きのバイクに乗ったことがある、ということでスムーズに教習は進んだ。
 1通りやるとバイクを押して2輪専用コースに出る。乗車し、エンジンを掛けて外周を延々と回った。ギアはサードまで入れ、カーブの手前では速度を落としてギアダウン。停車する時は必ずロー。
 久しぶりだからエンストするかと思ったが、1度もなし。
 以前乗ったことがあるといっても、数えるほどしかない。それに時間も経っている。
 発進や停車がぎこちなく、急発進やノッキングなどをしてしまった。ギアの操作ミスも2度ほど。
 注意された点は、走行中はクラッチレバーから手を離す、減速チェンジは十分に速度を落としてから、ぐらい。
 延々と外周を回るだけだからすぐに飽きてしまった。
 それにしてもCB125はでかい……

教習所入校2日目(8月21日)「乗車2時間目」「キープレフト」

 本日からゼッケンを着用することになった。
 第1段階は赤色である。
 教官から、昨日の復習として外周を回って、と言われ、その通りにやる。単調だ。5週ほどした時、教官がやってきて、後ろからついてこい、と言う。どうやら定められたコースを走るらしい。右折左折、安全確認、障害物、などである。2回ほど後ろについてコース内を回って、後は自分で走れ、という。
 コースは覚えていなかったが見よう見まねで走った。
 安全確認では目視について注意される。ミラーしか見てなかった。
 バイクの運転にまだ慣れてない。それは余裕がない、ということで、従って安全確認がおろそかになる。とにかく慣れが大事だと思う。
 スタートはスムーズに出来るようになったが、停止がまだ不完全。ノッキングが怖くてクラッチを早く切ってしまう。エンジンブレーキがきかずに車体が前方に流れてしまい、フロントブレーキを強く掛けて前につんのめったりする。それとなく教官の乗るバイクを観察していると、止まる直前にギアをローに入れている。ということは止まるまでは半クラッチでいいらしい。
 ギアの入れ方の感触もまだあまり自信がない。
 2輪のコースは狭い。こんなところで4速まで入れて走れ、というのは無理ではないかと思ってしまった。スタート直後に左折し、いきなり障害物で、安全確認して右ウインカー出しつつ右に寄って障害物をよけてすぐに左折し、また安全確認し右ウインカー出し右側に寄る……というのはどうも現実にそぐわない。
 あっという間に時間が来て終了。
 まだ、バイクを自由に動かせてない感じである。

教習所入校3日目(8月22日)「乗車3時間目」「砂砂利走行、一本橋」

 最初は砂利道走行。
 一本橋の横に、幅2メートル、長さ4メートルほどの砂利を敷き詰めた場所があり、そこを通過する練習。ギアはローで、半クラとブレーキを使いながら進む。
 最初はうまくいった。が、2度、3度やっているとふらついたり、足をついたりしてしまう。なかなか難しい。CB125は乾燥重量が127㎏あって、小型バイクの中では大きい部類に入る。
 少しでもバランスを崩すと立て直すのが難しい。転倒やエンストに気をつけながら6回ほど繰り返した。
 重いといっても中型の400ccクラスは概ね200㎏ぐらいあるからそれに比べると軽い。おかげで立ちゴケなど1回もない。
 教官がやってきて、今度は8の字を回れという。延々と回った。
 それが終わると教官のバイクの後ろに乗って8の字走行を体験。そこまでバンクする? というぐらいに車体を傾ける。なかなか倒れないものだと感心。
 続いて一本橋。
 バランスには自信があったので楽勝だろうとタカをくくっていたが、頭で考えるのと実際にやってみるのとは違うことを実感する。
 1回目はふらつきながらも何とか脱輪せずに通過したが、2回目は半分も進まずに脱輪。3度目は速度を上げて通過したので簡単だった。が、それでは意味がない。ニーグリップ、視線は遠く、と意識するが難しい。4回目、5回目も車体がふらついて安定しない。脱輪はしないが、いつ脱輪してもおかしくない状態。
 後半はS字、クランク、坂道発進の練習。S字、クランクはギアはセカンドで半クラッチを使いながら進む。
 しかし坂道発進では初のエンストを経験する。車より難しい。5回ほどやって2回はエンストした。エンストしないまでも後ろに下がったり車体がふらついたり、あまり上手いとはいえない。
 いつの間にか終了時間。時間が経つの早い。
 コースを覚えておいて、とコース図を渡される。

教習所入校4日目(8月25日)「乗車4時間目」「走行練習」

 教習所について少し説明しよう。建物はあまりきれいとはいえず、想像していたより前時代的であった。
 4輪の教習はどうか分からないが、2輪は設備やバイクが古い。まず大型の教習はやってない。バイクも小型が2台、中型が10台ぐらい。全部ホンダのCBである。
 2輪の場合、予約は次の1回しかとれない。電話予約は出来ない。基本的に実技(乗車)は1日1時間で、2時間乗りたい時はキャンセル待ちを狙うしかない。キャンセル待ちにしても連続で乗ることは出来ず、間に1時間挟まなくてはならない。
 ほかの教習所ではどうやら5時間ぐらい予約を入れたり、1日に2時間乗れたりするらしい。

 さて、教習である。
 この前渡されたコースの走行練習をした。
 入校式の時に一緒だった中型の教習生がいて、彼もどうやら同じコースを走るらしい。彼の後ろをついて行った。
 コースはばっちりと覚えていたのだが、後ろからついて行く、ということでなんだかズルをしているような気分になる。
 コースの走行練習の合間に、急制動をやった。小型は30㎞/hでブレーキをかけて、8メートルで止まらなければならない。ギアは考えず、ブレーキだけに集中して良い、ということでやってみる。制動距離がかなり短い、というのが第一印象。ほとんど急ブレーキ状態だ。
 急制動の後は先ほどと同じコースをぐるぐると回る。
 4時間も乗っていると慣れたと思う。しかし、まだギアチェンジかうまくいってない。ギアを落とす時、よくニュートラルに入ってしまう。車両の特性か、もしくは力が弱いのか、かなりしっかりと踏み込まないローに入らない。
 それと、停止するときにギアをローに入れるのをよく忘れてしまう。これはずっと前から気になって、心かげているつもりなのだが、未だに出来ない。
 坂道発進はほぼ完璧に出来るのだが、1本橋が結構きわどい。安定するまで、アクセルは回すべきだと思う。安定した後、リアブレーキを掛けながら半クラッチで進むのがいい。とにかく安定。バランスは腰でとりながら、車体が安定した後はニーグリップをしっかりと。
 バイクを操れるようになってはきているが、まだまだだなと思う。

教習所入校5日目(8月26日)「乗車5時間目」「一段階見極め」

 雨がぱらついていたが、乗り始めると止んだ。
 コース1の走行練習をやった。今日は見極めのはずだが……と思うが、教官は何も言わない。ひたすらコース1の練習。
 低速で走ると、なかなかバランスを取るのが難しい。
 ギアチェンジは上達したが、停止する時にローに入れる手際が悪い。もちろん昨日よりは上手にはなってはいるが。
 あと、右足がステップに完全に乗ってない、と注意を受ける。いつでもブレーキが掛けられるようにつま先はブレーキの上に置かないと駄目らしい。
 どうも変なクセがついてしまったようだ。乗り始めの頃、慣れてないせいか足がしびれたので、自然と楽な姿勢を取るようになっていた。
 ということで意識して矯正した。辛いかと思ったが、それほど苦にならなかった。
 続いて車線変更などの注意を受け、素直に「はい」と返事をして走行練習。
 時間がきた。見極めは大丈夫だろうか、と少し不安になる。色々と注意されたし……「次からは2段階です。コース2を覚えておくように」と言われ、少しだけほっとした。
 ようやく折り返し。
 入校式から6日目、明日でちょうど1週間である。この調子で行けば、来週か再来週の頭には免許が取れそうだ。

教習所入校6日目(8月27日)「乗車6時間目」「2段階初日」

 今日から2段階である。
 1週間前、入校式で一緒だった中型の人と一緒に教習を受ける。
 その人は今日が1段階の見極めらしい。
 予約簿を見るとほぼ毎日来ており、キャンセル待ちでも乗っているらしいが、こっちはキャンセル待ちとかしてないのに、すでに2段階である。小型は教習ペースが速いと実感する。
 最初にバイクの運行前点検を10分ほどやった。
 ライト、ウインカー、テールランプにブレーキランプ、タンクを開けてガソリンが入っているかどうかの確認、エンジンオイルの点検、チェーンの張り具合などを見た。
 それが終わると、2輪コースを出て4輪の教習車が走っている所内を回った。
 広々としていて気持ちが良い。
 止まる時にギアをローに入れるのも完璧に出来るようになった。ギアチェンジもスムーズである。
 4周ほどして、2輪コースに戻った。
 コース2の練習をするはずだったが、指導員からコース1を回って、と言われ、しばらく昨日までの復習をした。
 そして時間が来て終了。

教習所入校7日目(8月28日)「乗車7時間目「危険予測」

 雨が降っている中の教習である。
 急制動では若干後輪が滑って焦った。しかし中盤以降、雨は止み、晴れ間がのぞいた。
 今日は、ケーススタディといわれる危険予測の教習である。本来ならばシミュレーターを使うらしいが、この教習所に機械はない。
 駐車場まで行き、指導員とマンツーマンで2輪の事故に関しての説明を受ける。
 乗用車やトラックの死角、すり抜けをする場合の注意点などである。所々で教官から問いかけがあり、それに答えたりした。
 教官が言った。
「免許取ってバイク買ったらすり抜けってする?」
「基本的にはしないと思います。けど、急いでいる時はするかもしれません」
「危ないよ、特に急いでいる時は」
「十分注意します」
 その後は、2輪コースでコース2の練習をした。

教習所入校8日目(8月29日)「乗車8時間目」「急制動と危険回避の練習」

 前半は4輪用コースに出た。カーブの走行体験とかそんな感じだろう。指導員から「スピード出すからついてきて」と言われスタート。
 直線では40㎞/h強ぐらい。カーブでは車体をバンクさせて曲がったり、クランク、S字などを通過。
 それが終わると今度は低速で曲がったりUターンしたり。
 2輪コースに戻って坂道でUターンや、1本橋をセカンドギアで渡ったりした。
 そつなくこなせたと思う。
 その後はひたすら急制動の練習をした。合間に危険回避の練習。
 時間が来て終了。

教習所入校9日目(8月30日)「危険予測ディスカッション+学科」

 あいにくの雨。しかしこの日は実技はなかった。
 雨の日の教習は、地面が滑りやすいとかより服が濡れるのがやっかいである。雨具を着ているとむれる。
 危険予測ディスカッションは、車に乗って、前を行く教官のバイクを観察し、その行為を用紙に書き留める、という内容である。教官バイクはわざと危険な運転などをするらしい。
 教習生は6人。車は2台用意され、3人ずつ分乗した。私は1号車の助手席についた。
 スタート。
 教官バイクは左折の際、わざと右振りしたり、踏切の停止線などを超えて一時停止したりしながら走行した。悪い点を見つけるたびにメモした。
 教習所に戻り、10分間の休憩を挟み、教室に移動して学科。
 バイクを観察した結果を元に教官が色々と解説した。
 重点項目はカーブ、右左折、車間距離、障害物などである。
 教本に書いてある内容をなぞるというような感じだ。
 後半は事故についての解説。
 事故のほとんどは、速度の出し過ぎによるものらしい。カーブを曲がりきれずに転倒し対向車線に出てしまうとか、もしくは転倒して自分のバイクに押しつぶされるとか。
 安全な速度と安全な距離を守っていれば事故のほとんどは防げる、ということだった。
 最後に、指導員がこういう言葉で締めくくった。
「バイクは楽しい乗り物ですが、事故にはくれぐれも気をつけましょう」

教習所入校10日目(9月2日)「乗車9時間目」「2段階見極め」

 教官が初めて当たる人で態度が横柄だった。
 4輪コースから2輪コースに戻る際、左側に寄ってそれから右への車線変更をしていたらすっ飛んできた。
 左には寄せず、すぐに右車線に入っていいらしい。最初はそう教えてもらったかもしれないが、今までの教習でそれを指摘されたことはなかった。何より4輪コースにはあまり出てない。
 その教官の教え方は下手に思えた。もしくはやる気がないのかもしれない。
 今まで言われなかったことや、あまりやってない項目に関して注意されるというのは納得がいかなかった。いや、間違った箇所やあやふやな箇所の指導は当然なのだが、その教え方がよくない。
 10時間(危険予測ディスカッションをのぞけば9時間)という実技時間が短すぎるのかもしれない。
 要するに出来ていない、ということである。
 腹立たしかったが、注意されたことは素直に聞き、直す努力をした。教え方は悪かったが、言っていることは、少々言葉不足の部分もあると思ったが、大きくは間違ってないと思う。
 時間が来て終了。
 汗だくになって2輪控え室に戻る。
 見極めは駄目だろうな、と半ば諦めていたが合格。
 これで全教習終了。
 1段階、2段階ともに一応最短。
 受付で卒業検定の申し込みをした。
 2日後である。
 問題があるとすれば一本橋だ。最近は脱輪することはまれだが、それでも不安である。
 落ちたら中止というのは厳しい。

教習所入校11日目(9月4日午前)「卒業検定」

 10時より諸説明、10時30分頃より検定開始。
 卒検の受験者は3人で、小型は私のみ。
 緊張した。
 落ちたら受け直せばいい、とは思うのだが、それは面倒だし、もうバイクは明日納車される予定である。仕事の都合もあるし、なんとしても合格したい。
 検定の順番は、小型の私は最後である。待っている時間は長く感じられた。
 1人目が1本橋にさしかかった時、司令塔から拡声器で「ちょっと待て」という指示があった。何だろう、と思っていると、1人目の彼はクランクまで戻ってやり直していた。
 後で聞いた話によると、どうやら最初からポールが倒れていたらしく、それでは通ったことにならない、ということでやり直したらしい。
 2人目が終わった。2人とも、安全確認があまりできてないと感じた。しかし検定中止になるようなミスはなかった。
 暑い。ぼろぼろと汗が額からこぼれた。9月に入っているというのに、8月より暑い。
 順番が来た。乗車した。最初はS字、続いて障害物。クランクを通り、一本橋へと向かう。
 山場である。
 アクセルをふかし、半クラッチで前に進んだ。
 前輪が乗った。ふらついた。中程まで進んでも安定せず、やばい! 落ちる! と思ってしまった。
 ああ、これは運命なんだ、失敗するんだ……
 しかし何とか安定し、渡り終えた。ほっとした。
 もう大丈夫だ、と気持ちを切り替えて急制動へ。
 急制動を終え、坂道発進をしていると「ちょっと待て」という指示が。
 急制動で30㎞/hでてなかったからやり直して、といわれる。
 確かにちょっと速度が遅かったかもしれない。
 やり直した。
 司令塔は沈黙している。今度は大丈夫だったようだ。
 踏切、そして外周コースへ。調子に乗って速度が40㎞/h強でてしまい、あわててアクセルを戻した。
 そして終了。
 ロビーに戻る。
 たぶん大丈夫だろう。失敗はしなかった。これでもうこの教習所にはこなくていいはずだ。
 30分ほど待たされ、ようやく合格発表。
 3人とも合格。
 自分が合格して嬉しいというより、不合格がでなかったことが嬉しい。
 アンケートを書かされ、卒業証書を受け取り、祝卒業!
「今から試験場行けば間に合うよ」
 検定の要領を説明してくれた事務員の人にそう言われた。
 時計をみると12時40分。試験場の受付時間は午後1時から30分の間である。
 教習所まで車で何分ぐらいですか? と聞くと、45分ぐらいだよ、との答え。
 到着は25分、ぎりぎり。
 しかし迷う。タクシーを飛ばして、もし間に合わなかったら……しかし今日免許が取れればバイクに乗れるかもしれない。
 納車は明日、ということになっているが、もう準備は済んでいるだろう。
 さて、どうするか……
教習所のフリー画像

教習所入校11日目(9月4日午後)「免許交付」

 タクシーに乗り、無理を言って急いでもらい教習所に到着したのがちょうど13時25分。お釣りは受け取らず、試験場2階の受付にダッシュ。
 結果、なんとか間に合った。
 2時半に免許を受け取り、すぐにバイク屋さんに電話。予想通りもう準備は済んでいるとのこと。
 家に帰り、バイク屋に行き、KSR110を受け取った。
 感想、遅い……
 めちゃめちゃ遅い。
 慣らしが終わってないからだろうか。
 ギアの当たりが悪く、1速に入らないのは困った。交差点の真ん中だったらどうするんだ、とかなり不安。
 クラッチキットをつけてもらったが(ノーマルはクラッチ操作不要)どうも遊びが少なくて、エンストしそう。
 バイク屋から自宅までは1度もなかったが、その後、慣らしのために走行中、信号待ちの時にエンストした。始動はキックなので面倒である。
 いろいろと走り回ってその日のうちに走行距離100㎞突破。

 夜、慣らしからの帰途、赤の点滅信号のねずみ取りに引っかかり、反則金6千円。
 今日免許交付されたばかりだというのにもう違反なんて……これからは交通法規を厳守しよう心に固く誓った。

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