アニメのジブリ作品はどうも好きになれなくて、どこか胡散臭く感じるというか、一周半回った結果というか。
子どもの頃は好きでした。
「風の谷のナウシカ」とか「天空の城ラピュタ」とか。
「もののけ姫」あたりで(なんか違う……)と思うようになって映画館には足を運ばなくなりました。
けど「千と千尋の神隠し」は好きでした。
最近のはいっさい観ていません。
ナウシカは映画よりマンガ版のほうが面白い
ナウシカは、よく原作のコミックのほうが面白いと言われます。
大判のコミック(ワイド版)を4巻まで持っていて(全7巻)、今回読み直したら面白かったので、残りの5~7巻も手に入れて全部読んでみました。
巷でいわれているように、映画よりコミックのほうが面白いです。
読み出すと止まりません。
映画はあくまでダイジェスト版という感じだと思います。
ナウシカもいいけど、クシャナもいいです。
ナウシカのコミック版、文字が多いです。
けど、読みづらくはないです。すらすら読めます。
これ、そこら辺の漫画家が描いたらとんでもなく読みづらい漫画になると思います。
宮崎駿のセンスの良さだと思います。
風の谷のナウシカの裏設定
ネットで一時期話題になったナウシカの裏設定ですが、改めてコミックを読むと、確かにそういうふうに書いてありますが、明確ではなくて、ちょっとあやふやな部分が多い印象でした。
ナウシカの裏設定、知らない人もいるかもしれないので箇条書きにしてみます。
・人間が大きな戦争を起こし、大気が汚染されて、生物が生きられない世界となる。
・人間は地球の汚染を浄化するために、菌と蟲を作成する。これが腐海。
・腐海が大気を浄化するまでには長い年月がかかるため、人間はコールドスリープすることになる。※正しくは卵になる、でした。
・人間たちが眠っている間に、世界の管理を任せるために人造人間を作る。これがナウシカたちの祖先。
・人造人間(ナウシカたち)は、汚染された大気のなかでは生きられるが、汚染が浄化された世界では生きられない。
・大気の浄化が進む(腐海が世界を浸食する)とナウシカたちは住む世界を追われることになる。
ざっとこのような設定です。
映画版では、上記についてはっきりとは触れられません。
いくつか伏線らしきものはあります。
ナウシカが出陣する前、ユパは城の小部屋へと行きますが、そこに腐海の植物があったり、あとは腐海の下に空洞があることなど。
作中で毒だといわれているものが実は浄化された大気だった、というのは考えてみれば衝撃的な事実だと思います。
といっても強い毒にはナウシカたちもやっぱり弱く、清廉な空気も毒となります。
なんとも中途半端な存在です。
適度な毒がないと生きていけない、ということなのだと思います。
殻をもつ昆虫類は、体のサイズはあまり大きくできません。
殻が重くて動けなくなります。
地球の歴史を見てみても、大昔にメガネウラという、トンボの化け物みたいな昆虫がいた時代はありました。
メガネウラは、70センチ前後の大きさだったらしいです。
なのでオームのような巨大な虫(正しくは蟲ですが)というのはナンセンスだと常々思っていましたが、人間のバイオテクノロジーによって作られた人工生物ならあり得ます。
ナウシカのコミック版は、中盤あたりまではストーリーも追いやすいけど、後半、特に6巻から7巻は支離滅裂な部分も見受けられて、流れが悪い箇所もあったりします。
結末はちょっと投げやりな終わり方でした。
後半が駆け足なのは残念ですが、総合的には上質なSFファンタジーだと思います。
7巻という絶妙な長さもいいです。
・風の谷のナウシカ 全7巻箱入りセット「トルメキア戦役バージョン」
コメント
コールドスリープじゃないですよ? 旧人類≠善良な人間の卵。かつての旧人類は滅び、改造人間/人造人間が腐海と共に生き、腐海が消滅した後、善良なだけの新人類が復活する計画。腐海と共に生きる人間が、ナウシカに言った通り、再改造して善良人類と一緒に生きられるようにしてくれるのか、嘘で本当は切り捨てるのかは今となっては分からない。
王蟲についてとか、クシャナの言う王とか、他にも作られた神が沢山あるとか、クシャナが中興の祖でまだしばらくはトルメキア滅びそうにないのに、セラミック時代の終末期とか、巨神兵の空間ひんまげ技術+人類が星まで行ってたのに火の七日間が起きた、とか想像の余地を残してぼかしてるのがいいところ。読む人によって人類死滅、地球環境回復。他の「神」によりナウシカの行動が無駄に。人類復活。他の星行った子孫が戻ってくる、など妄想を楽しめる。少なくとも「年代記」の時代までは人類は生き残ってる。
コメントありがとうございます。コールドスリープは間違いでした。眠りにつく=コールドスリープと勘違いしたのだと思います。折を見て追記しておきます。ありがとうございます。
漫画版の風の谷のナウシカは奥が深いです。好きな漫画の一つです。