京急線の衝突脱線事故について

 2019年9月5日、京急線で衝突脱線事故がありました。
 トラックが踏みきりで立ち往生したところに電車が衝突とのこと。
 報道機関の見出しで「京急線 ブレーキ間に合わず 運転士歴は1年1カ月」というのがありました。
 ある人は「これは悪意がある、運転士歴は関係ない」と指摘していました。

「ブレーキ間に合わず」というのはそのまま言葉通りの意味だと自分は感じましたが、何も知らない人がぱっとみたら、電車側の過失が多いように思うかもしれません。
 それは良いとして「運転士歴は関係ない」というのは果たしてそうだろうかと疑問に思いました。
 運転士歴1年1ヶ月と、たとえば運転士歴20年だと差はないのかな? 電車の運転は、1年1ヶ月の経験で、100%マスターできるものなのかという疑問は覚えました。
 当然、差はあるはずです。
 車の運転を考えてみると、1年1ヶ月なんて初心者に毛が生えたぐらいのものです。
 運転歴20年のベテランドライバーと、ようやく初心者を脱したばかりのドライバーは、運転の仕方が同じとは思えないです。
 運転歴20年のベテランドライバーがもし過去に事故を経験しているのなら、更に両者の運転の仕方には差が出ることが予想できます。
 電車と車の運転は違うので、上記の考え方は当てはまらないかもしれませんが(電車は線路の上しか走れない)。

 事故に至る道筋は、人のつくったゲームなどと違い、どう転んでも防ぐことのできない場合もあります。
 この列車事故も、運転士が経験20年のベテランだったとしても、同じような結果になった可能性はあります。

 物事というのは実際よりも簡単そうにみえたりもするし、だいたいマスターした、程度なら案外と誰でも到達できるけど、完全にマスターするには長い時間がかかるものです。
 若いときは、その違いがよく分かりませんでした。
 年をとってからよく分かりました。その道何十年のプロフェッショナルはすごいと。
 人間業とは思えない芸当を涼しい顔でやってのけたりします。

 事故の全容を知っているわけではないし、思い込み、勘違いもあるかもしれません。
 自分は電車について詳しいわけでもないです。
 また、何か新しい情報が入ったら追記したいと思います。

追記
 まだ事故の全容は解明されていませんが、現時点(2019/09/09)での報道を見る限り、素人考えですが、電車は衝突することなく止まれたのではないかと思います。
 踏切の非常停止ボタンは押されていたそうで、論理的には電車は踏切の前で止まれたそうです。しかし衝突しているので、ブレーキのタイミングが遅れたか、それともブレーキの効きが悪かったのか、もしくは計算上では止まれるけど、実際には止まれなかったということのようです。
 もし、ブレーキの遅れが実際にあったとすればそれは運転士の過失になるだろうし、整備不良や計算ミスで衝突したのであれば鉄道会社の過失になるはずです。
 しかし、もしですが、運転士の信号の見落としがあって、ブレーキのタイミングが遅れたことが本当なら、それはそれで仕方がないのではとも思います。
 どちらかというと鉄道会社の安全管理のほうが問題と思います。
 トラックは道を間違って、狭い場所に入り込んで、結果起こってしまった事故ではありますが、こちらも道を間違うというミスをしています。
 ミスは、人間である以上、仕方のないことです。
 だから、運転士のブレーキの遅れがあったとしても(まだ確定はしていませんが)、やはり強く責めることはできないと思います。

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