佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく」感想

「ブラックジャックによろしく」を読みました。
 再読です。

 最初に読んだのは、13~14年ぐらい前のはずです。
 今回再読して、その完成度と面白さのハイレベルさに驚きました。
 当時は、面白いのは面白いけど、そこまで面白いとは感じなかったはず。
 自身が年齢を経て、ものの見方や考え方が変化したせいなのか、そもそも若かった自分は、マンガを読むことに慣れていなくて、その中身を表面ぐらいしか理解できていなかったのかも知れません。
 佐藤秀峰先生が「ブラックジャックによろしく」を描いたのは20代後半のはずですが、20代後半で、よくここまでの作品を書き上げたと感心しました。すごい。

 40代の自分が20代のプロ漫画家の漫画を読むと、青臭いと思うことが多いけど、この作品は別格です。
 素晴らしい漫画です。

 後半部分、池田小事件をモデルとした事件がありますが、圧巻の出来。
「ルックバック」となんと違うことか。こちらは医療漫画なので、同列に語るのはフェアではないですが。
 格が違いすぎと感じました。

 主人公が、優柔不断というか、青臭いところはありますが、マンガの主人公としては満点だと思います。従って、アマゾンのレビューなどにある、主人公批判は的外れです。
 もし自分が病気で、その主治医が「……医者っていったいなんなんだ?」なんて自問していたらちょっと怖いところはありますが(笑)

「新ブラックジャックによろしく」も読みました。

 肝臓移植に関してのお話。
 近藤先生が良いです(どちらも)。

 絵が前作に比べると劇的に向上しています。神がかった画力向上。
 内容も素晴らしい。

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