太平洋戦争の勝敗とミッドウェイ海戦

 映画「ミッドウェイ」を視聴しました。
 それに関しては以下をご覧ください。
映画「ミッドウェイ」感想

 太平洋戦争で、日本がアメリカに勝つことは可能だったか。
 厳しいと思います。
 アメリカと日本では、国力がまるで違います。
 1940年前後、GDPでは日本とアメリカでは5倍以上の差がありました。

 アメリカは「合衆国」ということで、50幾つの国が集まっている連合国家です。日本より国力が高いのは当然です。

 昔は日本がアメリカに勝てるはずないと思い込んでいたけど、いや、待てよ、それは結果を知っているからそう考えるのであって、日本が勝つこと(もしくは日本が有利な条件での講和)だって不可能ではなかったのではと思うようになりました。

 なぜそう思うようになったのか。
 日本は、開戦から半年間はほとんど負け知らずで快進撃を続けました。
 1942年の6月にミッドウェー海戦で大敗します。
 そのミッドウェー海戦の両軍の参加艦艇を見ると、どうやっても日本が勝つはずなのに、結果は無残に負けています。
 ミッドウェー海戦の敗北の理由については、さんざんいわれているからここでは簡単に書きますが、大きくは、兵力の分散、目的の不明瞭さ。あと、暗号が解読されていた点。
 この3点がよくいわれます。
 運命の5分間とか、利根の索敵機が云々というのもよく言われることです。

 参加艦艇については日本軍は圧倒していたけど、実際に戦ったのは前線の一部であり、アメリカ海軍との戦力差はほぼなかったようです。
 日本軍の大部分の部隊は、広く分散していて(主に後方)、戦闘に参加できませんでした。
 けれども、前線部隊の戦力は日米ともにほぼ互角だったので、やはり日本が大敗するのはおかしいです。
 基地航空隊を含めると、アメリカ軍のほうが有利だったようではあります。しかし大きな差ではありませんでした。

 やっぱりそれは結果から逆算した理由であって、若い頃は、こういう分析が大好きだったけど、歳をとってからこのような分析に基づいた論理的な思考は当てにならないことに気づきました。
 物事は案外と、思ったようにいかないものです。
 意外なことが起こりがち。
 戦争も同じだと思います。
 国力が強い国が常に勝つなら、日清戦争も、日露戦争も、日本が勝利するわけがありません。

 逆説的だけど、戦争で、日本がアメリカにどうやっても勝てないのであれば、少なくともミッドウェー開戦は日本の勝利か、もしくは引き分けであったはずです。
 国力と戦力(しかも局地的な)は違うものなので同列に扱うのは乱暴かもしれませんが。

 日露戦争当時の日本とロシアの国力差は、およそ3~4倍だったそうで、やはりそのデータからしても日本がロシアに勝てるとは思えません。
 勝てるはずのミッドウェー海戦で負けて、負けるはずの日露戦争で日本は勝ちました。
 論理的にはおかしいけど、こういうことって現実によくあることだとも思います。

 もしミッドウェー海戦で日本が勝っていたら、アメリカ軍の反攻は半年か1年は遅れていたかもしれないけど、大筋の結果は変わらなかったかもしれません。
 ヨーロッパの趨勢も関係していると思います。
 すなわち、ナチスが快進撃を続けて、ヨーロッパを制したとしたら、太平洋戦争の帰趨も怪しくなります。
 もしナチスが勝っていれば、日本にも一縷の望みはあったかもしれません。
 日本軍がアメリカ本土を占領するのは無理でも、日本にとって条件の良い講和を結べたかもしれません。

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