貴志祐介著「ダークゾーン」感想|再読

ダークゾーン上巻(Kindle版)
ダークゾーン下巻(Kindle版)
「ダークゾーン」を再読しました。
 読んだのは2度目です。
 最初に読んだのはもう何年も前で、結局夢オチという結末に肩すかしを覚えたので、あまり心証はよくありませんでした。

 前回の感想は以下をお読みください。
読書感想「ダークゾーン」貴志祐介著

 久しぶりに読み返したところ、予想以上に面白いと感じました。
 
 様々な伏線が読み進めていく内に結末に向かって収束していく様は読んでいて心地よかった。
 将棋の知識がなくても楽しめるはず。将棋の知識があるなら更に楽しめるはず。

 夢オチではあるけど、高度な夢オチです。
 夢オチでもここまで練り込んだらこれだけ面白くなるのか、というのは興味深いです。

 この「ダークゾーン」が貴志作品の中であまり評判が良くないのは、主人公の性格の悪さと夢オチとの組み合わせだからだと思います。
 しかしこの性格の悪さが物語の発端になるので、構造上の仕掛けになるでしょうか。
 最初に読んだときは、なんだ結局夢オチか、と拍子抜けでしたが、再読すると、主人公の性格の悪さが鼻につくようになりました。
 年を経ると、まあこんなくだらないやつもいるよね、と感想が変わったのは面白いところ。

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