アニメ版プラネテスは原作から大幅改変
アニメ版プラネテスが、Amazonプライムに対応になったので視聴してみました。
プラネテスの原作はコミックです。
コミック版は大好きでした。何度も読み返しています。全4巻。
構成がいびつなところはありますが、それを補って余りある面白さ。
前半は、デブリ(宇宙のごみ)回収のミッションを中心として、人間ドラマが展開され、後半は、木星往還宇宙船「フォンブラウン号」に関してのお話。
アニメ版は、以前少し見たことかありますが、原作とかけ離れ過ぎていたので微妙に思いました。
そう感じる人は多いと思います。
アニメ版の世間の一般的な評価は「原作から大幅に改編されているが、これはこれで面白い」
一部の人は「アニメ版は原作より軽いし、改悪されている」
個人的には、最初は後者の意見でしたが、アニメ版は見ていく内に……考えは変わりました。
アニメ版は原作よりきれいにまとまっていて面白いです。
最初こそ、半課? 課長? 係長代理補佐? なんだそれ。チェンシン? ギガルト? 全然知らん! ……という感じだし、アニメ版の6話なんて宇宙忍者が出てきます(笑) いやー、ひどい。
けど……アニメ版、見ていく内に好きになりました。
原作に対する愛も感じられます。
原作を基調として、新たに物語を作り直した、という感じです。
6話の宇宙忍者の話も、ありといえばあり。
アニメ版の初回放送が2003年10月なので、作中に出てくるガジェットは古くさい雰囲気があります。
初代iPhoneの発売が2007年6月です。
アニメ版プラネテスは全26話。
各話の感想を簡単に書きます。
記事は3回に分けます。
アニメ版「プラネテス」の各話感想
さて、それではアニメ版プラネテスの1話から9話まで、簡単に感想を書いてみます。
1話「大気の外で」
田名部愛がデブリ課(半課)に配属になる話。原作の最初は、ユーリのアルナイル8型事故の話。アニメ版は原作にないキャラばかりで、原作を知る人からすると、かなり面食らうはず。声については、ハチマキは少し違和感。田辺……ではなく田名部愛はイメージ通り。
2話「夢のような」
ハチマキの同期チェンシンが登場。声がイメージと違う。なんてことはなく、チェンシンは新キャラです。ちょっと原作と離れすぎじゃないかと思います。こんなに変えなくても……。原作レイプという言葉がちらちらと浮かぶ……。原作を知らなければ、気にならないかもです。普通のアニメ。
冒頭の宝くじの場面なんてひどい。あれは原作を知っている人は確実に不審を抱くと思います。
そもそも宝くじなんて原作にはでてこない(はず)し、アニメの新キャラが踊りまくるのは寒いです。
しかし……プラネテスは結構シリアスな場面も多いです。
落差を考えるとこのような冒頭場面もしっかりと意味があるのかもしれません。
3話「帰還軌道」
原作にもあった宇宙葬の話。すこし感動。おや、プラネテスのアニメは原作レイプなんてものじゃなくて、確かに原作とは違うけど、これはこれで良いかも……と早くも思い始めたエピソードでもありました。
この話に限りませんが、原作より良くなっている話が多いと思います。
棺桶の中に、妻と子どもの写真がありましたが、原作にはその描写はありません。
4話「仕事として」
連合議長の息子コリンがデブリ回収を見学するお話。これは原作にはありません。
つまらないとも面白いともいえず。まあ普通のエピソードというか。なくても困らない話だと思います。
5話「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」
休暇で月に向かうことになるお話。これも原作にはありません。4話よりは面白かったです。
6話「月のムササビ」
宇宙忍者登場! これでアニメ版プラネテスを見るのを辞めた人は多いかもしれません。
最初はギャグっぽいけど、最後はちゃんとシリアスになります。
ふざけたようでいて実は真面目。ある種の試金石みたいなエピソードです。
自分は嫌いではありません。最初はひどいと思ったけど……。
7話「地球外少女」
ルナリアンのお話。これはいいです。感動。原作にあったエピソード。少し改変されています。
いずれこういう存在が現実になる日も、そう遠くはないはずです。
ノノちゃんはこのあともたびたび出てきます。
8話「拠るべき場所」
フィーが管制課に異動する話があって、デブリ課総出でデブリ回収にあたることに。
原作にはないエピソードです。
9話「心のこり」
ハチマキの先生ギガルトが登場。こちらも原作にはありません。
不法投棄のくだりは良かったです。軌道保安庁は格好いい。
先生死にそうになったけど。
ギガルト先生は癌にかかっていて余命が少ないようです。
田名部はそれを知ってしまいます。
ハチマキには言うなと口止めされます。
アニメ版プラネテス1~9話の全体的な感想
面白い! 感動! 原作では、いまいち世界観が不明なところがあったけど、アニメ版ではそれが程よく補完されています。
新キャラが多く、最初は違和感があるけれど見ていく内に気にならなくなります。
素晴らしい。
原作愛が感じられます。
中盤と後半の感想については以下をご覧下さい。
・アニメ版「プラネテス」10~18話の感想
・アニメ版「プラネテス」19~26話の感想
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