読書感想「ミャンマーの柳生一族」高野秀行著

ふざけたタイトルだが中身は至って真面目

 高野秀行さんの「ミャンマーの柳生一族」を読みました。
 旅行記としても、ミャンマーのガイドブックとしても面白いです。
 ちょっと古い作品(2006年刊行)なので、ガイドブックとしては使えない可能性は高いです。

 奇抜なタイトルですが、内容と合致しています。
 文章も読みやすく、クセもなく、ついつい先が気になって読んでしまいます。
 そして読み終わったら、ミャンマーという国を身近に感じることができるはず。
 ミャンマーは、日本と縁が深い国です。
 国軍の前身はビルマ独立義勇軍ですが、日本陸軍の影響(というか創設にかかわった)を受けています。

 タイトルはふざけていますが、決してコメディ(笑える場面は多々ありますが)ではないです。
 外側はお笑いだけど、中身は大まじめです。
 最初はクスッと笑えて、中盤では日本とミャンマーとの関係など、歴史的な話に興味を惹かれ、最後ではほろりと涙腺が緩む瞬間もあったりします。

 終盤で、武田鉄矢さん主演の「ヨーロッパ特急」という映画の話題がでます。
 一昔前、その映画が、ミャンマーでは名作扱いされていたとか。
「ヨーロッパ特急」のエピソードは、アジアと日本、それから世界を感じることのできるお話でした。

 調べてみたら「ヨーロッパ特急」は1984年の映画でした。

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